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まちの先生企画講座3「家庭菜園の土の健康診断をしてみよう」

2021/10/14

  10月8日(金)、まちの先生企画講座3「家庭菜園の土の健康診断をしてみよう」の第1回「良い土とはどんな土?家庭菜園の土のチェックポイント4つ」を石狩市公民館で行いました。講師は、酪農学園大学名誉教授の松中照夫さん、受講者は16名でした。
 
 松中さんは「皆さん、こんにちは。私は、大学の研究室から始まり、農業改良普及所、農業試験場、大学と50年間土について勉強してきました。今回の講座では、土について、良い土なのか悪い土なのかをどうやったら見分けられるのか、その辺りの事を皆さんに理解して頂きたいと思っています。その為の4つのポイントを4回の講座で身をもって学んで頂くために宿題を出します。大変かもしれませんがお付き合い願いたいと思っています」と言ってお話を始められました。
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◇良い土とは、具体的にどんな土か?
何によって「良い土」と判断するのか?
良い土とはどんな土ですか?と質問すると色々な答えが返ってくる。
・ミミズが多くいる土
では、どんなミミズがどのくらいいれば良いのでしょうか?
・堆肥をたっぷりやった土
堆肥をどのくらいやったら良いのでしょうか?
・黒くて柔らかい土
色が黒いのは北海道の土の特徴ですがそれが良い土の条件でしょうか?柔らかさも、どのくらいの柔らかさでしょうか?あまり柔らかいと作物の根を支えられません。

このようなあいまいな概念ではなく具体的な指標を示さないとどのような土をつくったら良いのか分かりません。本日は、こう云う土にしたい、という事を具体的にお話したいと思っています。

◇そもそも土とは何か?
土は、岩石が風化作用(機械的+化学的)により母材(レゴリス)となり、母材が風化作用(機械的+化学的)と土の生成作用(生物の働き)を受けて出来る。
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◇土の色には決まりがある
1) 寒い地方
低温下では微生物の活性が低く、枯葉・落枝・雑草など「有機物」の分解速度が遅いので土に有機物が残り黒色となる。
2) 暑い地方
高温下では微生物の活性が高く、有機物の分解速度が速いので土に有機物が残らず土中の鉄分の色(赤褐色)が表れる。

◇土の色の基本
1) 黒色系の色
土の中の有機物が分解する途中にできる物質(中間物質)に由来する色。有機物が分解しにくく、土の中に残る条件(地温が低い=寒冷地、水分が多い=排水がやや悪いか悪い、水分がやや乾燥)では黒色が主体。
2) 赤色系(赤褐色系)
土の中の酸化状態にある鉄の色に由来。有機物が分解しやすく、土の中に有機物の存在量が少ない条件(地温が高い=暑い地域、水分が多くない⦅土の中に空気が十分ある⦆=排水が良好)では赤~赤褐色になる。

◇良い土の圃場では作物の生産量が必ず多いのか?
圃場の作物生産力を決める要因には、土の要因と土以外の要因がある。
1) 土の要因
根の生育環境、水分の保持・供給、養分の供給(存在量、PH)
2) 土以外の要因
気象、地形、施肥管理、栽培技術、作物品種など
※土だけが圃場の作物生産を決めているのではない。圃場の作物生産は「総合力」で決まる。

◇作物をつくるために良い土とはどんな土?
作物の生育を阻害しない土⇒具体的には?

◇良い土=作物の生育を阻害しない土であるための4条件(4つのチェックポイント)
1) 土の物理的性質に関わる条件
①厚くやわらかな土が十分にあって、作物の根を十分に支える事が出来る
②適度に水分を保持できると同時に、排水も良い
2) 土の化学的性質に関わる条件
③土が極端な酸性やアルカリ性を示さない
④土の中に作物に必要な養分が適度に含まれる

◇良い土=作物の生育を阻害しない土であるための4条件の具体的チェックポイント
1) 土の物理的性質に関わる条件のうち厚みと硬さについて
条件①厚くやわらかな土が十分にあって、作物の根を十分に支えることができる
厚みと硬さ:表層土と下層土の2種類
表層土(土の断面の上層部にあり、黒味を帯びた色の層)の厚みは20~30cm、硬さはスコップで楽に掘ることができること。
下層土(表層土の下にある層で土に黒みを帯びない層)の厚みは表層土+下層土の合計で「有効土層(根が岩盤や緻密なレキ層などで伸長が阻害されずに伸びることができる土層)」として50㎝以上、硬さは親指を突き立てた時、爪くらいから第一関節くらいまで土に入ること。
2) 土の物理的性質に関わる条件のうち適度な保水と排水について
条件②適度に水分を保持できると同時に、排水も良い
この条件を満たす土=中粒質の土
中粒質の土の判定方法は、少し水分を加えた状態で土を指先でコヨリをつくる要領で糸状に伸ばした時、マッチ棒程度の長さ(5㎝くらい)になるような土。
※参考
粗粒質の土(砂っぽい土):排水が良すぎて水持ちが悪い=指先で糸状に土を伸ばしても、マッチ棒の長さまで伸びずにくずれる土
細粒質の土(粘土っぽい土):排水が悪く、湿害がでやすい=指先で糸状に土を伸ばしたら、マッチ棒以上の長さまで細く長く伸びる土
3) 土の化学的性質に関わる条件のうち酸性度について
条件③土が極端な酸性やアルカリ性を示さない=土が適正なPHであること
適正なPH:5.5~6.5(作物によって、適正な範囲のPHの低い方であったり、高い方であったりすることがある)
4) 土の化学的性質に関わる条件のうち適度な養分量について
条件④土の中に作物に必要な養分が適度に含まれる=作物に必要な養分が作物の利用可能な形態で適度に含まれている
※利用可能な形態=可能態(土壌診断での分析はこの形態の養分を測定)
適度な養分含量=土壌診断基準値(対象となる作物によって設定されている)
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◇次回までにお願いしたい宿題
第1回のテーマ
土の物理的な性質から2つのチェックポイント
①土の「厚みと硬さ」と②排水と保水性の良否
を調べてくる(これについての詳しい解説は2回目に行う)
宿題のやり方
①と②は土を掘らないとわからないので、50㎝掘って確かめる
・土を掘る作法
太陽を背にして掘ること(断面に太陽が当たるように)。硬くて掘れない、石ころが沢山でてきた、などで掘れなくなったらやめる。
※埋め戻す時は、表層土は表層に下層土は下層に戻すこと
・調べる項目
1.土の厚みを調べる
①表層土の厚みを調べる
目標値:20~30㎝
②有効土層の厚みを調べる
目標値:50㎝以上
2.土の硬さを調べる
①表層土の硬さ
目標値:スコップで楽に掘ることが出来る。
②下層土の硬さ
目標値:親指を突き立てた時、爪から第一関節くらいまで土に入る。
3.土の断面の特徴を調べる
排水の良否を示す特徴=鉄の「斑紋」や「グライ層(青粘土層)」があるかどうか。
4.土の粒が大きいか小さいかを調べる(コヨリ作り)
良い土の物理的性質=適度な排水と適度な保水がある中粒質の土を目指す。
中粒質かどうかの判定法は、親指と人差し指の間で少量の水を加えた土をこねた時の状態で判別。
中粒質=鉛筆くらいからマッチ棒くらいまでの太さの糸状になる。
粗粒質(砂質)=指でこねても糸状にならない。
細粒質(粘質)=コヨリのように糸状になる。

上記4項目を調査紙に書き込み、次回持参すること、掘った土の断面を写真に撮って松中さんにメール送信すること(メールのない方は、写真をプリントして次回持参)の二つの宿題が出て、1回目は終了しました。
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 土についての詳しいお話を聴いて、作物をつくる時の土がどのようであれば良いのか良く分かりました。さらに、宿題をやることで、自分の家の土がどのような状態なのか、分かるはずです。

皆さん、宿題、頑張って下さい!

最後に受講者のコメントをいくつかご紹介します。
「実家も我が家も(土が)硬くなり、表面が親指を突き立てたら捻挫しそうな硬さです。少しでも植物の育つ環境を良くしたくて参加しました。宿題の上が掘れるか心配。来年は、まじめに種を植えたいと思い参加しました。本格的で私にとってよい講座です」
「本格的な"土"についてのお話、大変勉強になりましたが、私の場合は家庭菜園と云っても本当に小さなものですので本格的な農業では無いのでもう少し簡単な講義になればついていけるのだけれど。素人の野菜作りが簡単に上手に出来れば満足なのですが」
「耕作上の具体的な判断方法について説明いただき、大変参考になりました。残りの講義を楽しみにしております」
「本日はありがとうございました。宿題もありまた来週楽しみにしています。よろしくお願いします」






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