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主催講座9「空知の北海道遺産を訪ねる~月形樺戸博物館と北海用水路見学~」

2025/08/06

 8月4日(月)、主催講座9「空知の北海道遺産を訪ねる~月形樺戸博物館と北海幹線用水路見学~」を開催しました。受講者は、43名でした。
9時にバスに乗り石狩図書館を出発、月形へ向かいました。
10時に月形へ到着。
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 博物館の田代解説員に1時間にわたり、旧樺戸集治監本庁舎と本館を案内していただきました。
1.月形樺戸博物館
1)旧樺戸集治監本庁舎
・明治時代初期、北海道は未開拓の地であった。
・日本はロシアの南下政策への備えとして、北海道の道路建設や開墾が急務とされた。
・また、当時は国事犯が数多く存在し、彼らを収容する施設が必要であった。
・そこで、一般囚人や政治犯を収容するための施設として、明治14(1881)年に樺戸集治監が、東京、宮城に次ぐ全国3番目の集治監として開監した。
・集治監の開監と共に、空知管内最初の村として月形町が誕生し、囚人たちによってインフラ整備が整い、集落ができ、商店ができた。
・道内開拓、主要道路の開削など、北海道開拓の礎を築いたのは、集治監に収容されていた囚人たちだった。
・樺戸集治監本庁舎は、明治19(1886)年大火で焼失、再建された。
・その後、囚人の減少や囚人たちの過酷な労働への批判が強まり、大正8(1919)年に廃監となった。
・再建された本庁舎が今に残る庁舎であり、廃監の後は、昭和47(1972)年まで町役場として使用され、翌年から北海道行刊資料館として集治監に関する資料を展示公開した。
・平成8(1996)年、名称を「月形樺戸博物館」に改め、樺戸集治監の開監から廃監までの39年間の歩みを示す歴史資料を展示している。
2)本館
本館では、樺戸集治監の歴代の典獄や看守、囚人たちの仕事やくらしについて、実物資料やジオラマ、映像で展示している。
◇本館1階
典獄や看守たちの仕事は、囚人の監視・教誨・看守の育成など多岐にわたった。囚人の逃亡などに備えて看守は銃器の携帯が許されていた。
◇本館2階
囚人たちは未開の厳しい自然の下で開墾、道路の開削、橋梁工事、屯田兵屋の建設など、長時間に及ぶ過酷な労働を強いられていた。囚人たちが着ていた赭色(柿色)の囚衣は、現代に残る数少ない貴重な資料である。
また、木をくり抜いた水道木管も展示されている。
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 1時間にわたり樺戸集治監について詳しく案内していただいた田代解説員に感謝をして、月形樺戸資料館を後にし、赤平市の北海頭首工に向かいました。

2.北海頭首工
1時間後に北海頭首工に到着。
空知川から用水を取り込む様子や、滔々と流れる北海幹線用水路の始まりをみなさん熱心に観察していました。
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頭首工の概略についてはスタッフが説明しました。
・北海幹線用水路は、北海頭首工で空知川から取水している。
・取水量は最盛期で42トン/毎秒、1日360万トンで東京ドーム3杯分。
・赤平の頭首工にはじまり約80㎞流れて最終供給地南幌町に至る。
・用水のはじまりの幅は14mあるが、最終地南幌町の用水幅は1.8mとなる。
・用水路は、高低差28mを利用して自然に流している。
・北海幹線用水路は、2004(平成16)年に北海道遺産に認定される。また、2006(平成18)年には、疎水百選(農林水産大臣認定)に選ばれる。
・北海幹線用水路の建設工事は、1924(大正13)年に開始、大型機械はなく、モッコやスコップ、ツルハシを使用して工事にあたった。また、コンクリートの獲得にも苦労したが、1929(昭和4)年、わずか4年4か月で竣工した。工事の主任技師は、48歳で一端引退した66歳の友成仲で、友成は工事が完成した翌々年に亡くなった。

 頭首工を観察した後、昼食を取るため三笠の道の駅に向かいましたが、途中道路に沿って北海幹線用水路が流れているのを車中から観察することができました。
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3.北海土地改良区
 昼食の後は、岩見沢の北海土地改良区さんを訪問し、北海幹線用水路の概略を説明するビデオを見せていただき、川崎慎也主査から受講者の質問に答えていただきながらお話を聞きました。
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 こうして、本日の見学講座は終了、帰路につきました。受講者のみなさんは、各見学地のいずれにも強い関心を持って見学されたようで、スタッフとしてもうれしい限りでした。

 最後に受講者から寄せられたコメントをご紹介します。
「樺戸博物館はもう少し時間が欲しかった。赤平の頭首工は圧巻。最後の質問への対応も感謝。米の話も良かった」
「30年ほど前に空知に勤務したことがありましたが、はじめて知ることばかりで、大変勉強になりました」
「月形樺戸博物館は北海道開拓の先陣を切り最も過酷な基幹工事を担った集治監の囚人たち、彼らが成し遂げた実績を説明して頂き胸が熱く成りました。また、北海幹線用水路も見学、スタッフからの詳しい(説明)内容に感銘しました」
「樺戸博物館~複数回来ているが、この度は見学時間のゆとり、説明が良く聞こえ、判り易かった。明治政府の政治犯を含む犯罪者を北方警備、未開拓地の開拓にと有効利用(したこと)がよく判った。水路見学~大きな設備、国の管理がよく判った。広大な土地をどのように有効利用すべきか、よく判る設備でした。初めて見学でき、学ぶことが多い気がした」
「用水路の事を詳しく教えて頂いて良かったです。日頃、何も考えずに食べていたお米が様々な方のご苦労の上に成り立っていたことに感謝です」
「初参加です。老後(現在)の生き方の選択肢の一つとして前向きに考えてみたいと思います。耳で学ぶのではなく、目で学ぶ楽しさを知りました」
「"百聞は一見に如かず"の言葉通りを実感した空知の見学旅行でした。企画、スタッフの皆様に感謝!このように学び、良い時間を持てることを幸せに思っています。充実した一日でした」
「普段何気ない風景の中に今回北海幹線用水路を見学出来、非常に感激を受けました。まだまだたくさんの用水路があると思いますが、今後は気を今後は気をつけて他の用水路も見てみたいと思います」
「月形、1時間説明時間を用意していただいたので、くわしい説明を解説の方に沢山していただき、大変よくわかりました。北海土地改良区の説明用ビデオも分かりやすく参考になりました」




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