7月22日(火)、主催講座8「石狩市都市計画マスタープランとスマートシティ構想」を石狩市花川北コミュニティセンターで開催しました。講師は、石狩市建設部建設総務課都市計画担当主査の鵜沼雄一さん、主任の水戸麻衣さんで受講者は30名でした。
鵜沼さん、水戸さん夫々から自己紹介があり、講座がスタートしました。

1. 都市計画とは
(1)石狩市の概要
17世紀初頭(慶長年間)に松前藩が現在の本町地区に石狩場所を設けたことを機に鮭の交易で大きく賑わっていた。昭和30年代には札幌市の人口急増により大規模団地として注目されるようになり、昭和39年(1964年)に現在の花川南地区が新札幌団地として造成が開始されて以降大規模団地として開発が進み人口が大幅に増加した。昭和48年から着工された石狩湾新港は現在、国際貿易拠点として発展しているところである。
平成8年6月1日に石狩市となり市制が施行され平成17年10月1日に石狩市と厚田村、浜益村が合併して新石狩市が誕生した。

地区と人口の状況について、平成17年以降人口減の傾向にあるが、令和6年は転入超過となったのは明るい話題である。

(2)都市計画とは
コンパクトで良好な町並みを形成することを目的としている。

日本で最初の都市計画は、明治21年内務省による「東京市区改正条例」を制定。その後、日露戦争、第一次世界大戦後の経済成長、人口増加に伴い、都市化をコントロールするため、大正8年に「都市計画法」を制定。この法律で初めて市街地の用途を住居、商業、工業に区分する「用途地域」が創設された。
日本の大都市の骨格は、「戦災復興土地区画整理事業」で整備された。北海道内は4カ所を指定。

名古屋市の久屋大通・若宮大通は幅100mの道路であり、札幌の大通も100m以上ある。東京はそこまで出来なかった。

昭和43年に「都市計画法」を全面改正し、
・都市の無秩序な拡大抑制のため、都市計画区域を設定した。
・都市計画区域を、市街化を進める「市街化区域」と市街化を抑制する「市街化調整区域」に区分(いわゆる線引き)した。
・開発許可制度を創設した。
ここまでが、都市計画の歴史になる。

「市街化区域」と「市街化調整区域」を設ける理由として、次のことがある。
・市街化区域から離れた場所に家があると、そこまで道路を作り水道管を引くなど多大なコストがかかり非効率な街になってしまう。
・無造作に建物が建つと自然景観等にも悪影響が出てくる。
このようなことを未然に防ぐことで、インフラ整備をしていくことで自然を守り、合理的な街作りを行なう。

〇市街化区域のルール⇒13種類の「用途地域」を定めている。

〇建物の大きさについても、「建ぺい率」や「容積率」という制限が設けられている。

〇地区計画とは

〇用途地域の確認は、「石狩市ホームページ」からどうぞ!

2.石狩市の発展と都市計画
〇街の成り立ち
1600年頃 松前藩の場所が設置
1688年 若干の和人がアイヌとともに生活
1858年 住宅100戸余り。花街もできる。
明治2年 現在の本町、八幡町には市街地が形成される。
大正初期 人口が1万人台に達する。
しかし、その後鮭漁の衰退などにより人口減少が昭和20年の終戦まで続く。
〇石狩市の都市計画

3.最近の都市計画のトレンド

4.石狩市の都市計画
北海道では、79都市が都市計画区域を定めている。

そのうち、石狩市は複数の都市が対象となる札幌圏の都市計画に属しており、札幌市・江別市・石狩市・北広島市・小樽市の銭函地区の一部が含まれている。

市町村マスタープランは、市町村が個々に定めている。

〇「石狩市都市整備骨格方針の構成」について
第1章 共通編
南北67㎞、720平方㎞の広いエリアを4つのゾーンに区分。
・中心市街地周辺の「都市機能ゾーン」
・生振周辺の「農業生産ゾーン」
・本町周辺の「海浜植物ゾーン」
・厚田、浜益周辺の「森林環境ゾーン」を設定している。

第2章 都市計画マスタープラン

第3章 立地適正化計画

5.スマートシティ構想とは
石狩市で持っているものではないが、AIによる要約として「スマートシティとは、最新の情報通信技術(ICT)やIoT(モノのインターネット)を活用して都市の課題を解決し、住民の生活の質を向上させる都市のこと。環境、交通、エネルギー、行政サービスなど、様々な分野で効率化や最適化を図ることが目的」

「大きな方向性としては、人口減少の中で市街地の活力を保つためコンパクトシティを目指して、更には情報技術の活用によって利便性や災害対策による安全性が高い効率的な街を目指していく方向に進んでいく」という言葉で締めくくりました。

最後に受講者の声を一部紹介します。
「大変勉強になりました。これからの行動に気にしながら過ごしたいと思います」「ほぼ住んでいる石狩市の都市計画を知る機会はなかったのですが、今日は有意義な講座でした。花川地区を散歩したり車で通るたび袋小路になっていたり街のつくりが意図的に計画的に作られていることを感じていました。慣れるまでグルグル回ったりしてポイントになる目印の建物がないので夜は特に迷いました」「花川北地区の花畔団地に(公社・ブロック三角屋根)が今どんどん解体されています。確かに部屋は狭いですが50年経っても全然劣化していません。マンションに比べて狭さは苦にならないと思います。資源不足の日本で解体するのは勿体ないです。大きな家を建てても数年で二人きりの生活に戻るのですから一考を。1千万円位です。そのまま市の職員が住んで、住民税を石狩市に納めてください」「歴史のある都市計画を知りました。ありがとうございます。やはり、交通の不備を語らずして進まないとおもいました」「いただいた説明で少しついて行くのが大変でした。交通問題は、そう思います。何とかしなくては。町中の建物ではないですが、小型風車や太陽光パネルの畑が突然できないよう規制をしてほしい」「石狩市提供資料など大変参考になった」「石狩市民となって60年になり新札幌団地時代から大きく発展し、これに伴って人口も増加、交通網の発展・充実、商業地の集約化等便利になってきました。更に発展するには、中央バスのみの輸送体制では札幌圏への通勤が時間がかかり学生も不便を感じているので、軌道系の誘致を検討して下さい」「石狩市は自給自足できる恵まれた地域なのに、その自覚が足りない」