5月27日(火)、主催講座3「初心者のための初心者の俳句教室」の第2回「初心者のための俳句の作り方」を石狩市花川北コミュニティセンターで開催しました。講師は「石の花俳句会」代表の赤繁忠弘さん、受講者は20名でした。
赤繁さんは「みなさん、おはようございます。今回はまず前回の復習から始めたいと思います」と言って講座を始められました。

◇前回の復習
・俳句の基本は5・7・5(かみ5、なか7、しも5)の17音
・季語を入れる(一句にひとつ)
・切れ字を有効に使う(や、かな、けり)
この3つを頭に入れてください。俳句の作り方は、先に季語をつけるか、後から季語をつけるかのふたつです。俳句を作ったら、季語を取り替えてみることもやってみて下さい。
「本日は、俳句頭になって帰って下さい」と赤繁さん。
◇例句で考える1.
①ポケットに夢のかけらをいれて○○
②父来たる両手に○○ぶらさげて
この○○には、春、夏、秋、冬の季語のどれがあてはまるか?
①夢のかけらは今はしまっていてまだ芽吹いていない・・○○はふゆ
②ぶら下げているのは農作物などの収穫物と思われるので・・○○はあき
季語を学ぶには歳時記を持つと良い(例句も載っていて参考になる)。
◇例句で考える2.
①見られいて種出しにくき○○かな
②はるばると○○の水ささげきし
③馬車になりそうな○○送られし
○○は、南瓜、西瓜、糸瓜のどれか?
①西瓜 ②糸瓜 ③南瓜
日常から言葉をたくさんため込んでおくと良い(引き出しが多くなる)。
◇例句で考える3.
①○○をきれいな風の吹くことよ
②○○やすでに楽しく草の丈
③子の髪の風に流れる○○来ぬ
○○には、5月、6月、7月のどれがあてはまるか?
① 6月② 7月③ 5月
◇例句で考える4.
さくら餅ふわりと香る葉のなごり
この句の語順を変えるともっと良くなるが、どうするか?
かみ5としも5を入れ替えて、葉のなごりふわりと香るさくら餅とする。
さくら餅が頭にくると、不安定だが、最後だと落ち着きが良い。
◇例句で考える5.
①故郷を望みて○○○とろろ汁
②故郷を望みて○○○さくら餅
○○○にはどういう言葉が入るか?
①は「すする」②は「たべる」
◇例句で考える6.
①折り鶴を○羽折りたる春愁(はるうれい)
○には数字の何がはいるか?
「百」
②折り鶴を○羽折りたる○○○
○にはどんな数字が、○○○にはどんな言葉が入るか?
○は「千」○○○は「原爆忌」
◇俳句では無駄な言葉を使わない
山の山桜、風が吹く、傷心の傷、流れゆく川、すいすい泳ぐ。
下線の言葉は、意味が重複していて要らない。
俳句を作る場合は、プライドを捨てて素直になること。
◇推敲する(自分で直す)
・たんぽぽや触れれば春の匂いかな
切れ字が二つある⇒推敲
・たんぽぽに触れれば春の匂いかな
季語が二つ(たんぽぽ、春)ある⇒推敲
・たんぽぽに触れれば母の匂いかな
◇多読する
作るばかりではだめ、人の句をたくさん読むこと。
新聞やテレビなどでも勉強できる。石狩でも市民文化祭で多くの句が掲示されている。
◇俳句を作っていると必ず壁にぶつかるが、そこで止めないこと(会に入るのも良し。どの会でも初心者を歓迎している)。

以上で講座は終了しましたが、本日は多くの例句を題材にして実際に考えることが多かったので、非常に充実した時間を過ごしました。受講者のみなさんはすっかり俳句頭になって帰路につかれたことと思います。次週はいよいよ実践です。
最後に受講者から寄せられたコメントをいくつかご紹介します。
「大変勉強になりました。(見方を変える)ありがとうございました」
「いかに俳句は奥深いか今日の講座でよくわかりました。短いコトバだけに難しいし生活経験と感性が作品にどう結実させるか。来週は自分がためされるのでおそろしくもあり楽しくもあります」
「例題がすごく良かった」
「非常にむずかしくて私の頭ではついていけないと思った」
「説明が解りやすく感謝しています」
「17音で整えられた日本語の詩を聞いてすばらしい響きに感銘を受けました。この講座に参加してから新聞、雑誌等の投稿欄を詠む(見る)ようにしています」
「大変楽しい時間でした。ワクワクして受講しました。講師の先生の例句、すばらしかった!まさに初心者の私、勉強になりました」