いしかり市民カレッジ

トピックス

トップページ トピックス 主催講座3「世界遺産となったキウス周墓群を訪ねる」第2回「世界遺産となったキウス周堤墓群を訪ねる」(見学学習)


トピックス

主催講座3「世界遺産となったキウス周墓群を訪ねる」第2回「世界遺産となったキウス周堤墓群を訪ねる」(見学学習)

2023/06/19

 6月7日(水)、主催講座3「世界遺産となったキウス周堤墓群を訪ねる」の第2回「世界遺産となったキウス周堤墓群を訪ねる」をバス巡回で行いました。
受講者は36名でした。

見学したのは、千歳市埋蔵文化財センター、キウス周堤墓群、美々貝塚の3カ所です。

1.千歳市埋蔵文化財センター
23,3,2,1.JPG
センタ―玄関の足元に描かれた千歳市の地図には遺跡出土地や遺構所在地がマーキングしてありました。
23,3,2,2.JPG
1回目に講義をしていただいた千歳市埋蔵文化財センター主事の和田由希絵さんに案内していただきました。このセンターは長都(おさつ)小中学校跡を利用したもので、最初の展示室では長都地域のうつりかわりの解説があり、「千歳」の由来を記す銘文が彫られている市指定文化財「弁財天御厨子」(レプリカ)が展示されていました。
23,3,2,3.JPG
遺跡や説明パネルは、千歳のおいたち1、千歳のおいたち2、こころの文化、くらしの文化と云うテーマごとに4つの展示室で展示されていました。
①千歳のおいたち1
北海道・支笏湖の誕生などの地史や年代を示す火山灰について解説展示されています。
火山灰の層は年代が判明しているので、そこに埋まった遺跡の年代が分かります。
23,3,2,4.JPG
②千歳のおいたち2
2万年前の丸子山遺跡の石器を始め旧石器時代から近世アイヌ期の資料が展示されています。
23,3,2,5修正.jpg
足元には、縄文時代、続縄文時代、擦文時代の竪穴住居の形を表わしたラインが引いてありました。それまで丸型だった住居の形は擦文時代になると四角に変わったそうです。
23,3,2,6.JPG
また、土器の重さや手触りも体感することができました。
23,3,2,7.JPG
縄文時代、続縄文時代の土器は縄目模様が付けられていますが、擦文時代になるとヘラで擦ったような刷毛目がつけられています。
③こころの文化
昔の人たちの精神生活を表わすお墓の副葬品や動物形土製品、土面、土偶などが展示されています。
・国指定重要文化財「動物形土製品」(レプリカ)
中空の土製品で、水鳥、ムササビ、アザラシなどを思わす姿をしています。きれいな模様が描かれ、一部には赤い顔料・ベンガラが付着しています。儀式で使われたと思われます。
23,3,2,9.JPG23,3,2,8.JPG
・国指定重要文化財「土製仮面」(レプリカ、現物は北海道埋蔵文化財センターで展示)
2,300年前頃の遺跡。顔はほりの深い縄文人の特徴を示し、男性と思われます。縄文時代の土製仮面では最北の出土です。
23,3,2,10.JPG
・市指定文化財「男性土偶」
縄文時代の土偶はほとんど女性がモデルなので男性のモデルは珍しいものです。
23,3,2,11.JPG
④くらしの文化
人々の日々の生活を物語る道具類が展示されています。
・丸木舟(近世)
23,3,2,12.JPG
・キウス周堤墓の遺構
石柱:1号周堤墓より発見されました。墓標だと考えられています。
23,3,2,13.JPG
石棒:4号周堤墓より発見されました。儀式で使用されたと考えられています。
23,3,2,14.JPG

2.キウス周堤墓群
二班に分かれてガイドボランティアさんに案内していただきました。
23,3,2,15.JPG
墓の配置の説明も受けました。
23,3,2,16.JPG
見学したのは2号周堤墓、3号周堤墓、1号周堤墓の3つです。
23,3,2,16,2.JPG
・2号周堤墓
周堤墓群の中では一番竪穴が深く4.7mありますが、その深さを眺めて実感することができました。
23,3,2,17.JPG
・3号周堤墓
周堤を観察しました。
23,3,2,18.JPG
・1号周堤墓
見学台がありましたが、一番大きい(最大径約83m)周堤墓だと云うその広がりを実感するにはもう少し高さが欲しいところでした。
23,3,2,20.JPG23,3,2,19.JPG
※3つの周堤墓を見学しましたが、隣りあった各周堤墓のつながりなどは、よほど高い所から鳥瞰しないと難しそうです。
この遺構が今後整備されて、もう少し周堤墓群の全体像が目の当たりに観察できるようになれば良いと思いました。

3.美々貝塚
最初に、説明版の前で和田さんに概説していただきました。
この地は今は内陸ですが、縄文海進が起きていた6,000年前には海のそばに位置していて多くの人々が集まって生活していました。美々貝塚は6,000年前の人々のくらしの様子を表わすタイムカプセルと云えます。
23,3,2,21.JPG
その後二組に分かれて、保存施設に入り、説明を受けました。
23,3,2,22.JPG
貝塚は、断面が見えるように展示されて、保存施設で囲ってありました。
23,3,2,23.png
樽前山の噴火の火山灰が年代ごとに層を作っている様子も良く分かりました。
23,3,2,24.JPG
貝塚に埋まっている貝は、ヤマトシジミが多いそうです。
23,3,2,25.JPG
出土品は、石錘(おもり)や骨角器などです。
23,3,2,26.JPG
 こうして3か所の見学を終え帰路につきました。ぐずついたお天気でしたが、幸いにも大降りにならず小雨にやや濡れた程度で済んだので楽しく有意義に見学することができました。
  
 最後に受講者から寄せられたコメントをご紹介します。
「遠くの珍しい遺跡群を見学できまた解説も分かり易く良かったです。途中の田園風景にも癒されます。また是非この様な企画をお願いします。市民がこの様な文化遺産に触れる機会を持つことは、大変有意義と思われます。次は留萌辺りの歴史文化探索も良いのではと思います。※もう、5類扱い(インフルエンザと同レベル)になったのだから検温はいりません」
「講師の先生、ボランティアガイドの方の説明が分かり易く有難かったです。2000年、3000年前の人々の生活を想像し、今は、すべてが便利になった世の中ですが・・・どの時代が幸せを感じられたか、人間はほとんど変わっていないのでは・・・などと考えました。昔の人から今の時代へのつながりを感じた今日一日でした」
「実物を見て縄文文化の教示を改めて再確認しました。縄文人の生活は現代人の生活内容よりも余裕のあるものだったのでは?と今の自分に置き換えて考えなおしてみたいと思いました」
「ゆっくりとゆとりある見学ができました。樹々の緑にも心癒された感がします。千歳埋蔵文化財センターはやはり見ごたえのある展示でした(石狩の現状を思うと少し
うらやましくもなります)」
「縄文時代、一万年もの長い間、人々の生活と死者に対する豊かな心配りの様子がよくわかった見学旅行でした。埋蔵文化センターの和田先生、分かり易い説明
本当にありがとうございました」
「初めてのキウス、美々でした。講師の方やボランティアガイドの話のおかげで、初心者の私も興味深く見学することができました。ありがとうございました」
「大変効率よく縄文遺跡群をご案内いただきありがとうございました。石狩にも貴重な縄文遺跡がたくさんあるのでこれらを整備して多くの人々に見ていただきたいものです」





CONTENTS コンテンツ

カレッジ生募集中

ボランティアスタッフ募集中 詳細はこちらから

いしかり市民カレッジ事務局

〒061-3217
石狩市花川北7条1丁目26
石狩市民図書館内社会教育課
Tel/Fax
0133-74-2249
E-mail
manabee@city.ishikari.hokkaido.jp

ページの先頭へ

ご意見・お問い合わせプライバシーポリシーサイトマップ