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主催講座2 「北海道の活火山~火山と共生する~」

第2回 「観測データから見た活火山の現況と防災」

2016/05/23

 主催講座2「北海道の活火山~火山と共生する~」の第2回「観測データから見た活火山の現況と防災」を花川北コミュニティセンターで行いました。講師は、北海道総合研究機構 地質研究所の高橋 良さん、受講者は59名でした。

本日のお話は
1.北海道内の活火山
2.地質研究所での火山観測の概要
3.各火山における観測事例
についてでしたが、以下はその概要です。
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1.北海道の活火山
①活火山とは
「概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動がある火山」のこと。
②火山の恵み
火山は噴火しない時は、様々な恵みを与えてくれる。
・美しい景色
・温泉
・地熱の利用(地熱発電所)
③17世紀以降の国内の火山噴火
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④北海道内の20世紀のマグマ噴火
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⑤道内の20世紀の噴火
・北海道駒ヶ岳
20世紀の北海道で最大の噴火。火砕流が発生。
・十勝岳
麓の上富良野町、美瑛町で144人の死者・行方不明者(20世紀日本で最悪の火山災害)
・20世紀の水蒸気噴火
50回以上
⑥21世紀の噴火(2001年~2016年)
・マグマ噴火0回、水蒸気噴火3回(十勝岳1回、雌阿寒岳2回)
現在の北海道は、非常に静穏な状態にある。
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2.地質研究所での火山観測
道内活火山31(北方領土11火山を含む)のうち、最も活動的な5火山を対象として調査・観測を行っている。
十勝岳(1969年~)雌阿寒岳(1985年~)樽前山(1998年~)有珠山(2000年~)駒ヶ岳(1991年~)
◇観測の目的
火山活動の変化や噴火の前兆現象を捉えるため
・静穏時からデータを積み重ねる
・継続的に観測
・様々な視点から観測
・他機関との連携
◇火山観測の内容
①熱観測
・火山噴火温度
・火山域などの地温
有珠山での噴気温度直接測定、熱映像装置を用いた温度観測など
②地球物理的観測
・地殻変動観測
・重力観測
GPSによる観測
③地球化学的観測
・温泉(化学成分、酸素・水素同位体比)
・火山ガス(化学成分、酸素・水素同位体比)
◇噴火対応
①火山活動が活発化したら、観測体制の強化、資料収集の頻度アップを図る
②噴火発生時の緊急調査は、噴火物の調査(降灰分布・構成物)
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3.十勝岳の観測
・現在の活動期は、約4,700年前~現在で火口位置を変えて活動
・20世紀以降のマグマ噴火
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・噴火が起こる前に、様々な予告をしてくれる
噴気量の増加、噴気温度の上昇、火口で硫黄の自然発火、地震の増加及び有感地震の発生。
・観測点
GPS連続観測点3か所、温泉観測点5か所、火山ガス観測点1か所
・最近の火山活動
2006年以降、火口域が膨張し続けている。
2012~2013年頃⇒前回の噴火前と同じような成分変化
・最近は、火山性地震の増加、火口が明るく見えるなどの現象が起きている
◇観測結果のまとめ
・過去の噴火前との比較
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・現在の活動期間では、マグマ噴出量の小さい噴火が約30年間隔で発生
・ここ数年は火山活動の活発化を示す様々な現象が観測されている
・平成26年12月~平成27年2月に噴火警戒レベルが1から2となった
・過去のマグマ噴火の数年前に比べると、まだ活動は低調である
・モニタリングしたデータの変化の意味を把握した上でデータを見る必要があり、そのために地質研究所では詳細な調査も行っている。

以上が本日のお話の概要ですが、北海道の火山のことが良くわかりました。また、噴火に関して現在は平穏な状態にあると聞いて少し安心しました。お話の後、次回の見学会についての説明があり、本日の講座は終了しました。



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