いしかり市民カレッジ

トピックス

トップページ トピックス まちの先生企画講座1「みんなのクラシック音楽~札響フルート奏者と楽しもう」


トピックス

まちの先生企画講座1「みんなのクラシック音楽~札響フルート奏者と楽しもう」

2025/05/08

 4月30日(水)、まちの先生企画講座1「みんなのクラシック音楽~札響フルート奏者と楽しもう」を石狩市花川南コミュニティセンターで開催しました。講師は、札幌交響楽団フルート奏者の福島 さゆりさん、受講者は47名でした。
 「みなさんこんにちは、札幌交響楽団フルート奏者の福島です。まず自己紹介から始めさせていただきます。私は石狩生まれ石狩育ちで、南線小学校ではリコーダ―部でした。樽川中学で吹奏学部に入ってフルートを始めました。東京学芸大学教育学部音楽専攻を卒業後東京芸術大学大学院に進み、2021年2月に札幌交響楽団に入団しました」
「今日は市民講座ですが、フルート演奏も期待されていると思いますので、お話の最初と最後に演奏を聴いていただきたいと思います」福島さんは、そう言って最初に5分ほどの小品を演奏されました。
mati25,1,1.JPG
 流れるフルートの音色に、みなさんうっとり!
「もう少し自己紹介を続けさせていただきます。芸大では、いろんな楽器の人、いろんな経歴の人と知り合えたのが良かったです。大きな思い出は、海外公演(チリ)に同行したことです。もう一つの思い出は、イギリスのロイヤルアカデミーとの交流です。オックスフォード観光を堪能できる時間があったこともラッキーでした」

クラシック音楽についての福島さんのお話
◇フルートについて
①古代(紀元前~中世):骨や木に開けた穴に息を吹き込んで音を出す縦笛
②ルネッサンス期(16世紀頃):軍隊の横笛「ファイフ」から室内楽を楽しむフルートへ。木製で穴は6つ程度。指で穴をふさぐシンプルな構造
③バロック・フルート(17~18世紀):「トラヴェルソ(フラウト・トラヴェルソ)」と呼ばれる木製の横笛が主流で、キー(レバー)は一つだけ。優しい暖かい音色
④ベーム式フルートの誕生(19世紀):1847年、ドイツのテオパルト・ベームが大改革、音の出しやすさ・正確さを求めて、金属製+キーの機構化。今日のモダン・フルートの原型が完成
⑤素材によって音は変るの?
金のフルート(重い)と銀のフルートの聴き比べ。銀製が少し柔らかい感じ。金製は大ホールに向く。
木製もある。
⑥フルートの仲間
・ピッコロ
オーケストラで一番高い音。ピッコロは、2番フルート担当者(福島さんも)が演奏。
・アルトフルート(大きい、暖かい音)
◇オーケストラって
・札幌交響楽団
北海道唯一のプロ交響楽団。旅(地方公演)が多い楽団。
・オーケストラ演奏者の日常
日々の練習、演奏会の譜読み:数日~数週間
オーケストラ全体のリハーサル:1~3日間
本番当日のリハーサル(ゲネプロ):2時間弱
演奏会本番
これを毎週、数日単位で繰り返す。札響は、年間120公演くらい。団員は、遅刻厳禁なので、早めに集まる。
・オーケストラの演奏会を支える人たち
①ステージスタッフ:ステージのセッティング。大きい楽器を並べたりする
②ライブラリアン:楽譜を用意する人。楽譜は3カ月前くらいには用意されている
③オーケストラ事務局:指揮者との打ち合わせやチケットの販売などの事務作業
◇札響以外の仕事は
個人演奏や大学で教える、個別のコンサートなど。技術的にもプラスになることが多い。
◇演奏会に行くことは
・演奏会は一期一会:同じ音は出せない
・五感を使って聴ける:「空気感」「臨場感」を味わって欲しい。感動が共有できる
・奏者の熱や表情が見える:演奏者の指先・息遣い・顔の動きが見え、音楽がより人間的に感じられる
※今の時代だからこそ、会場まで足を運ぶ手間・時間を非日常の体験として味わって欲しい。
◇オーケストラを楽しむポイント
・構え過ぎず、音を浴びるつもりで聴く。分からなくてもOK。知識がなくてもまずは音のシャワーを全身で浴びるつもりで。「映画音楽」のように、「この雰囲気好き」で充分。
・楽器ごとの音の個性を探してみる
フルートなら「風のような音」。ホルンなら「山や森を思わせる音」。コントラバスなら「土台のように支える深い音」など。
・指揮者の動きにも注目
指揮者は音を出してはいないが、演奏全体をデザインしている人。下野竜也さん、広上淳一さん、川瀬賢太郎さん、井上道義さん、尾高忠明さんなどそれぞれ個性がある。
・曲のタイトルや背景を知るとちょっと楽しい
・曲の途中でウトウトしても大丈夫!
・拍手のタイミングは、周りに合わせれば大丈夫!
◇オーケストラの基礎知識
・楽器の種類
弦楽器、木管楽器、金管楽器、打楽器。
◇キタラの座席
2~3階は音が良い。LB、RBもお勧め。P席は指揮者の顔が見える。
◇hitaru
hitaruは、劇場型ホールで歌劇やバレーの開催が可能。
◇札響お勧めプログラム
演奏会案内カタログから6月定期演奏会エリアス・グランディ指揮ラヴェル「ダフニフとクロエ」など福島さんお勧めプログラムがいくつか紹介されました。
◇札響に入って良かったこと
地元のオーケストラなので以前お世話になった先生など知っている人に会えること。
◇これからやっていきたい活動
・室内楽団:Mon
子どもたちに「クラシック音楽に初めて触れる経験」をして欲しいと、活動している(アウトリーチ活動)。
届ける音楽が、多くの人の「クラシック音楽の原体験」となり、初めてクラシック音楽を聴いた時の感動を多くの人が体験して欲しい。音楽は、人の生死に関わるものではないが、人生を豊かにするものだと思う。
mati25,1,2.JPG
 以上がお話のあらましですが、福島さんは「みなさんの生活に、音楽がより添えますように!」と言ってお話を終えられ、最後に素晴らしいフルート演奏で講座を閉じられました。

 終わりに受講者から寄せられたコメントをいくつかご紹介します。
「久し振りにフルートの音を耳にしました。落ちつく音色で心が安らぎます。"音のシャワーを浴びる"気軽に楽しむのには良いことですね」
「楽しく、曲も聴けて、お話も興味深くすばらしい講座でした」
「毎回大変な練習して・・・えらいと思う。私も頑張ろうと・・・。『場を支配する』感動などとても勉強になりました」
「分かり易く聞きやすいお話でした。石狩の出身にこの様な方が居てくれて嬉しいです。益々、ご活躍されることを祈っております」
「すごく身近に聴けて良かったです。沢山クラシックの魅力を語っていただき、これからの札響などを聴く楽しみが増えました。又、是非演奏の機会を設けて欲しいと思います。忙しい中有り難うございました」









CONTENTS コンテンツ

いしかり市民カレッジ Facebookページはこちら

カレッジ生募集中

ボランティアスタッフ募集中 詳細はこちらから

いしかり市民カレッジ事務局

〒061-3217
石狩市花川北7条1丁目26
石狩市民図書館内社会教育課
Tel/Fax
0133-74-2249
E-mail
manabee@city.ishikari.hokkaido.jp

ページの先頭へ

ご意見・お問い合わせプライバシーポリシーサイトマップ