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主催講座5「人生100歳時代~100年人生を有意義に生きるために~」

第3回「生きがいさがし~社会参加と孤独のはざま~」

2020/12/13

 12月10日(木)、主催講座5「人生100歳時代~100年人生を有意義に生きるために~」の第3回「生きがいさがし~社会参加と孤独のはざま~」を石狩市花川北コミュニティセンターで行いました。講師は、2回目もお話頂いた元北海道新聞社・編集委員でフリー記者の福田 淳一さん、受講者は37名でした。
 
 福田さんは「みなさん、おはようございます!この講座では1回目に朝倉先生が総括的なお話をされ、2回目は私がそれを引き継いで高齢化率の推移や平均寿命の延びなど主に客観的データに基づいたお話をしました。3回目の本日は、それでは平均寿命が延びた中でどうするか、についてお話したいと思います。人は、寿命が長くなったら、それだけで幸せでしょうか?そうではありません。幸せにくらすには、生きがいとかやりがい、張りが必要です。では一体どうすれば生きがいが得られるのか、それは大変難しい問題です。こうしたら生きがいが見つかると云う法則があるわけでもなく、そもそも個々人の価値観の問題ですからそれぞれ違います。そこで、今日は、いくつかの事例を通じて、こう云う考え方をすると、生きがい探しのヒントになるのではないか、というような形で話しを進めていきたいと思います」と言ってお話を始められました。
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1.生きがいについて
◇趣味、生きがいの見つけ方
・子どもの頃何が好きだったか、何になりたかったかを思い出してみる(子供の頃に好きだったことには打算が入っていない)
◇生きがいと「IKIGAI」(生きがいにあてはまる外国語はなかなかない)
・「外国人が見つけた長寿ニッポン 幸せの秘密」(エクトル・ガルシア、フランセスク・ミラージェス著、2017年訳)
沖縄・大宜味村を例に挙げている。
大宜味村の百歳前後の人たちは、全員が畑を持つと同時に何らかの会に入っていてそれが長寿の秘訣となっている。
・「IKIGAI 日本人だけの長く幸せな人生を送る秘訣」(茂木健一郎著、2018年邦訳)
※両書とも、アニメ映画の宮崎俊監督を紹介している
◇長生きのコツは、
・健康体操をする
・きちんと食べる
・人に会う
ことだと云われる。

2.生きがいの事例
◇生き生き術 社会参加、働くこと・・
・80歳男性の言葉
「元気だから働くのではない、働いているから元気なんだよ」
・高齢者がボランティアをしている例の紹介
フードバンク、子ども食堂など
ボランティアをやっている人にどうしてやっているのか聞くと、ありがとうのシャワーを浴びているから、との答えが返ってきた。
・福田さんが取材された実例記事の紹介
退職先生が子どもの勉強を手助け、おもちゃの修理・・おもちゃドクタ―活躍!
ボランティアをやる人の生きがいにつながると同時に次世代の子供たちの役に立つ。
◇生きがいの条件
・幸福を実感できるのは、自分が他人にとって必要だと感じる時
「経済界は悲しみを分かち合うために」神野直彦 岩波書店
・生きがいのポイント
①自分の能力を発揮できる(得意な分野、趣味、仕事、ボランティアほか)
②自分の居場所がある、仲間がいる
③人に評価される、人に喜ばれる
※人間に必要なのはきょういく、と、きょうよう
きょういく―今日、行くところがある。きょうよう―今日、用事がある。
◇道民の生活、生きがい(総務省 2016年「社会生活基本調査」都道府県別ランキング)
・「メディアに夢中」(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌) 1位(一日2時間38分)
・「スマホ・パソコン」2位(一日6時間以上使用した人10.5%)
・「スキー・スノボ」2位(1年でした人9.6%)
・「裁縫が得意」2位(1年でした人12%)
・「生スポーツ観戦」5位(1年で観戦した人24.6%)
・「読書好き」11位(1年でした人37.8%)
・「園芸人気」30位(1年でした人26.5%)
・「旅行・行楽」30位(1年でした人69.1%)
・「つり人の多さ」31位(1年でした人8.6%)
・「山登り人気」38位(1年でした人5.5%)
・「ボランティア」43位(1年間にした人22.6%)
◇孤独の効用
・下重暁子さんや五木寛之さんは、孤独は贅沢な愉楽、孤独だからこそ豊かに生きられると書いているが、二人とも社会との交流も多い人である
・市民権を得た「おひとりさま」
2005年に流行語大賞に。「おひとりさまの老後」(上野千鶴子著)がベストセラーに。一人焼き肉、一人カラオケ、ソロテニス、ソロキャンプなど。
※一人でいる時間も大事だということ

3.社会参加か孤独か
◇1人暮らし高齢者(65歳人口に対する1人暮し者の割合)の急増
・2019年版高齢社会白書
男 2010年11.1%、2020年15.5%、2030年予測18.2%、2040年予測20.8%
女 2010年20.3%、2020年22.4%、2030年予測23.9%、2040年予測24.5%
・2015年国勢調査
北海道は一人暮らし高齢者の率(65歳以上の人口に占める一人暮らしの割合)が全国5位の20.5%(155万8千人のうち31万9千人)
1位は東京24.6%、2位鹿児島県23.1%、3位大阪府22.8%
下位は、岐阜県、富山県、福井県、新潟県、山形県など東北・北陸地方
◇孤独の問題
・2017年、孤立死についての道の調査(死後1週間を超えて発見)
110人のうち、男性77人(70%)女性33人(30%)、65歳以上が74人(67%)。
・2003年猛暑のフランスの教訓⇒孤立した高齢者が犠牲(死者1万5千人)に
◇自殺者の傾向(2020年版自殺対策白書の分析)
・日本の自殺者数
年間おおよそ2万人くらいだが、バブル崩壊後の1997年頃から急激に増えて3万人を超えた(自殺者数は失業率と関連があると言われている)。しかし近年は、2万人ほどに戻っている。
・過去10年の自殺理由
病気の悩みが多いが、年齢別にみると、40歳~65歳では夫婦間の不和、生活苦、負債、仕事疲れなど、65歳以上、特に75歳以上では、孤独感、家族の死亡と云う心の問題となっている。
※今年10月(コロナ禍中)の自殺者は、総数2,153人(前年1,539人)で、男性1,302人(前年1,073人)、女性851人(前年466人)となっていて、女性の昨年比増が顕著。これは、飲食店勤めなどが多いことによる仕事を失っての生活苦、家族の在宅が多くなっての家事負担増、仲間との交流の断絶などによるものではないかと思われる。
◇孤独は「万病のもと」
「世界一孤独な日本のオジサン」(岡本純子 角川新書)
・孤独は、喫煙(一日15本)やアルコール依存症に匹敵するリスクがある。また、運動しないことや肥満(2倍)よりリスクが高い
・孤独の影響は、冠動脈性心疾患リスクを29%、心臓発作のリスクを32%上げる
・認知機能低下が20%早くなり、アルツハイマーのリスクは、2.1倍
◇コロナの影響を考える
・犠牲者、医療、経済、教育、家庭への影響
・「社会参加」の重大危機
・コミュニケーション手段の重要性
・ブームになったZoom、ネットの重要性
・手書きの良さ(絵手紙、はがき、手紙)の再発見
・一人でできることの重要性
※コロナ禍が終われば何をするか、考えておくことも大事
◇一人でできることは何か?
・作品づくり、自分史づくり、昔の愛読書の再読、家の中の整理
・回想の重要性~現在、過去、未来
楽しかったことを思い出すことが大事。
・「私のくらし便利帳」(北海道新聞社 福田さんが監修されている)を利用すると便利
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・「生きて帰ってきた男~ある日本兵の戦争と戦後」(小熊 英二著 岩波新書)
著者の父親の過酷な体験から出た言葉「希望があれば、人間は生きていける」を紹介している。
◇「死ぬ時に後悔すること25」(大津 秀一 新潮文庫)
死ぬ時に後悔するだろうと思われることを多々上げているが、そのほとんどは、やったことへの後悔ではなく、やらなかった事への後悔。

 お話の概要は以上ですが、福田さんは最後に、孤独だからこそ手をつなごうと云う瀬戸内寂聴さんの言葉と定年後が輝けば人生の色彩が一変すると云う楠木新さんの言葉を紹介して、本日の講座を閉じられました。
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 受講されたみなさんは、すでにそれぞれ生きがいを見つけている方が多いとは思いますが、本日のお話をヒントにしてさらに充実した生活を送って頂ければと思います。
 
 最後に受講者から寄せられたコメントの一部をご紹介します。
「人生100歳時代に向かって、生きがいをもって元気に過ごすためには、何が大切なのか、どう過ごしていけば良いのか?大変勉強になりました」
「残り少なくなった人生を有意義に過ごす上で、特に社会参加が重要である事を改めて認識しました。大変参考になりました」
「今回の主催講座5の『人生100歳時代』、3回とも大変良かったです。年賀状の添え書きに今回の人生100歳時代のことを書き、市民カレッジの勉強が役に立ちました」
「講師は資料にもとづき分かりやすく進められたので、ねむくならなかった。今後の老後に工夫をするヒントを頂いた気がします」
「まだ10数年死ねないとしたら、と考えると希望を持って今日の資料を時々読み返していきたいと思います」
「一人でものを考えることも、社会参加で多くの人と関わり生きていくことも共にこれからの人生で大切な事と思うが、すべて自分が健康で経済的にもその他に心配のないことも、基本になければならないと考えています。このコロナの時、小さな希望を捨てずにいること、これが今のところ私の人生には第一かな?」
「長生きのこつ、自身では実行しているつもりでいましたが、改めて考えると、人に逢うー社会参加に少々億劫さを感じ始めていると気が付きました。孤独ということには、若い頃から全く違和感もなく楽しめる方ですので段々内向きに。人との付き合い(特に同世代の夫人たち)は難しいとの先入観を何とか打破しなければと思いました。音響の改善、ありがとうございました。聞きやすかったです」
「理解しやすく、聞きやすく、有意義な時間でした。ありがとうございました。2回の講座楽しく頭の整理にもなりよかった!前向きな気持ちになれる明るいお話が良かったと感謝しています」
  





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