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講座4 「『北海道遺産』を巡る旅~次世代に引き継ぎたい北海道の宝物~」

第2回 「空知の北海道遺産を訪ねて」

2015/07/01

 6月25日(木)、講座4「『北海道遺産』を巡る旅~次世代に引き継ぎたい北海道の宝物~」の第2回「空知の北海道遺産を訪ねて」を行いました。案内役は、元高校教師で市民カレッジ運営委員でもある木戸口 道彰さん、受講者は42名でした。なお、今回は道民カレッジの手帳を提示された方がいつもより多かったのが特徴でした。

 8時30分にバスに乗って公民館を出発、三笠、砂川、滝川、月形を巡回して、北海道遺産の「空知の炭鉱関連施設と生活文化」「北海幹線用水路」「ジンギスカン」を学び、月形樺戸博物館を見学しました。なお車中、要所要所で、木戸口さんから大変詳細な資料に基づいた懇切丁寧な説明を受けました。
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 以下はその概要です。

石狩⇒三笠(車中説明)
北海道の地名
・アイヌ語に由来するものが多い
バスの順路では、花畔(ばんなぐろ)―「パナ・ウン・クル」(川下・そこにいる・人)、生振(おやふる)―「オ・ヤ・フル」(尻が・陸地≪についている≫・丘)、茨戸(ばらと)―「パラ・ト」(広い・沼)、篠津(しのつ)―「シリ・ノッ」(山の・﨑)、江別(えべつ)―「イ・プッ」(それの・入口)など
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・ふるさと地名(本州から移住した和人によるもの)
越後村(江別市)、新十津川町など
・移住民の願望
共栄、栄、末広など
・開発の年号
癸巳町(きしちょう、美唄)丁未(ていみ、夕張)大正(帯広)など
・入植軒数・広さ
八軒、二十四軒など
・企業名
王子町、大昭和、パルプ町(旭川)など
・合成地名
花川(花畔と樽川)太美(当別登江)など

美原大橋(一面吊りの斜張橋としては世界第8位)
岩見沢市
開拓使・道路測量の役人が湯浴みしたことから「ゆあみの沢」→「岩見沢」となったと云われる。かっては、東北以北最大の鉄道操車場を持つ交通の要衝として発展。現在は、水稲、白菜(全道1位)、たまねぎなど農業が基幹産業。人口85,442人(2015年3月)で増加傾向。
三笠市
かっては炭鉱で栄えるが、閉山により大幅人口減(昭和35年56,196人→平成26年12月9,525人)炭鉱史蹟群、アンモナイト化石等が有名。
幌内線
北海道最古の炭鉱鉄道。

北海道遺産『空知の炭鉱関連施設と生活文化』(車中説明)
石狩炭田の開発と炭鉱
石狩炭田は、北海道のほぼ中央に位置し、埋蔵炭量約64億トンで道内最大。北部を空知炭田、南部を夕張炭田と呼ぶ。開発は、明治12(1879)年に官営事業で行われた幌内炭鉱が皮切り。その後幾春別、夕張、空知など次々に開発。明治22(1889)年に創設された北海道炭鉱鉄道会社(北炭)により各地に採炭所が設置された。昭和23(1948)年には炭鉱労働者が8万8,000人を超え、昭和36(1961)には112の炭鉱があった。しかし、急速なエネルギー革命の進行と海外炭との価格競争力の低下により衰退し、平成7年の空知炭鉱(歌志内)閉山を最後に石狩炭田の全ての炭鉱が姿を消した。
ベンジャミン・スミス・ライマン
アメリカ人、開拓使雇地質学者。明治5(1872)年開拓使の招きで来日、3年間地質、炭田、油田、金属鉱山の調査を行った。幌内炭鉱の発見開発、手宮―幌内間鉄道敷設の功労者。日本人11人の地質調査技師を養成した。
全国と北海道の石炭生産量
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空知地方産炭市町の人口推移
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三笠ジオパーク・野外博物館エリア
三笠市の職員さんに案内して頂き、三笠ジオパークのうち、野外博物館エリアを見学しました。ジオパークとは、ジオ「地球・大地」とパーク「公園」を合わせた言葉で、地球(ジオ)を丸ごと楽しめる場所。博物館と云うと建物の中にあると考えますが、この野外博物館は、野外が丸ごと博物館なのだそうです。
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・森林鉄道跡
桂沢付近では良質のエゾマツ、トドマツを産し、江戸時代から木材が切り出されていた。現在は、野外博物館の順路となっている。
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・旧幾春別炭鉱錦立坑櫓
大正9(1920)年完成。現存する道内最古の立坑櫓。
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・旧錦坑坑口
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・石炭
地表に露出した石炭層を観察。
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・垂直な地層
大地の動きで地層が垂直になるまで押し曲げられた。
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・ひとまたぎ5千万年
1億年前の地層と五千万年前の地層が垂直に並んでいるので、その境界をまたぐと5千万年を飛び越えることが出来る。
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・桂沢神威古潭
景観が旭川の神威古潭を想わせることから桂沢神威古潭と呼ばれる。約1億年前の三笠層が分布、アンモナイトなどの化石が産出する。
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三笠―美唄―砂川(車中説明)
美唄市光珠内から滝川まで29.2㎞にわたる日本一長い直線道路を通って砂川へ向かいました。
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樺戸道路
樺戸、空知両集治監の連絡道として囚人を使って造られた。
美唄市
道内有数の採炭地も閉山により、昭和35年に87,354人だった人口が現在23,783人。かっては泥炭地が広がる不毛の地であったが、入植者の不断の努力と客土による土壌改良で道内4位の生産高の水田地帯となる。屯田兵村(騎兵隊)があった。

『北海道幹線用水路』
昭和4(1929)年完成の農業用水路。受益面積は、赤平市、奈井江町、美唄市、三笠市、岩見沢市、北村、栗沢町、南幌町の約2万6,000haで北海道の水田面積の約10.8%。
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ジンギスカン
昼食は、北海道遺産に指定されているジンギスカンという食文化について広く広報活動を行っている松尾ジンギスカン本店で、北海道でなぜ羊肉が食べられジンギスカン料理と云う食文化が発達したのか、その歴史経緯やジンギスカン料理器具、味付けなどの説明を受けた後、ラムとマトンの食べ比べが出来る特別メニューをいただきました。
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滝川―月形(車中説明)
新十津川町
明治22(1889)年の大水害で被害を受けた奈良県十津川村の住民600戸・2,691人が北海道における殖民地区画事業の第1号として現在の新十津川町(村)に入植した。大型圃場による機械化された近代農業を推進し、米の生産高は美唄市に次いで全道第5位。
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◇月形町(車中説明)
明治14(1881)年に設置された樺戸集治監とともに空知管内で最初に成立した村。地名は、樺戸集治監の初代典獄月形潔による。

月形樺戸博物館
館内を見学、説明員さんから、集治監ジオラマ、初代典獄月形潔、新撰組長倉新八、囚衣、鉄丸などについて詳しい説明を受けました。
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 こうして、本日の巡回予定をすべて終え、バスで公民館に到着したのが17時。たくさんの事を学んで充実した一日でした。詳細な資料を添えて車中で事細かく説明をして下さった木戸口さんに感謝しながら解散しました。

 この講座について、受講者からたくさんのコメントが寄せられましたので、その一部をご紹介します。
・多岐に亘る文献を収集し講座の資料として配布して頂き参考になりました。バスに乗車しガイドの方も切れることなく説明を加えて車窓からの市町村産業や歴史も案内してもらい楽しい。木戸口講師の熱意ある講座、ありがとうございます。
・地元にいて知らなかった事が詳しく勉強出来て大変楽しかったです。資料も良く講座が終わってからも読むことができます。講師の先生も専門的で、質問にも丁寧に答えてくださり、良く理解できました。
・炭鉱関連施設は初めて見学しました。山の神の宝物を堀り出すことは、いかに大変であったかが想像できる。月形集治監は初めてでありとても勉強になりました。更にジンギスカンは又格別の味で疲れも一掃されました。とても有意義な一日で、個人的にはなかなか見学できませんので貴重でした。
・最初に渡された資料がとても充実していたので読み応えがありました。一日でこれ程多くのプログラムをこなせたスタッフの皆様に感謝しています。
・「百聞は一見にしかず」2回とも座学では得られない良い勉強をさせて頂きました。頂いた資料は家でゆっくり読ませて頂きます。市外からご迷惑でなければ又参加させて頂きたく存じます。




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