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講座13 藤村久和さんが語る『アイヌの生活と文化』

第2回 「口伝えに伝承されてきたアイヌの物語」

2014/11/28

 11月27日(木)、講座13 藤村久和さんが語る『アイヌの生活と文化』の第2回「口伝えに伝承されてきたアイヌの物語」を花川北コミュニティセンターで行いました。講師は、北日本文化研究所代表で北海学園大学名誉教授の藤村久和さん、受講者は43名でした。

 前回同様最初に平取町・木村きみさん(きみフチ―フチはおばあさん)の語りを収録したビデオを鑑賞しました。
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◇ビデオの解説を含めた藤村さんのお話
木村きみさんの語りについて
・語られているのは、カムイユーカラと云うもの。カムイは神様、ユーカラは物語の意で、神様の物語。学者は神謡と言っているが、いわば神様の体験談(経験談)。節をつけて謡うように語られる。子供の時に聞かされて覚えていく。語る人によって内容に違いがあり、同じ人でも時に違うこともあり、語る相手が違っても内容が変わる。このような物語は主に女性によって伝承されている。
・ビデオで木村きみさんが語っているのは3つの話。
①雷の神様の話
②カワウソの神様の話
③火の神様の話
26,13,2,1.JPGのサムネール画像
カムイユーカラ
カムイユーカラは、折節(リフレイン)を一句一句の間に入れながら謡うように語られる。雷の話ではリットゥンナ、カワウソの話ではチチ、火の話ではアペメルコヤンコヤン。折節は地域や語る人によって違いがある。折節には意味があり、例えばアペメルコヤンコヤンは、アペメルが火炎のこと、コヤンコヤンは火が寄り上がること。
・カムイユーカラは、収録されたものが60ほどあるが、伝承されているものはその何倍もあると思われる。
・カムイユーカラは北海道の西側で使われる言葉で、道東・道北・カラフトではオイナ(伝承する)と言っている。
ウウェペケレ
ウ―互いに(相互)、ウェ(エ)―それを(情報)、ペケレ―明るくする。お互いに話をして知らない事を知る。
カムイユーカラとウウェペケレの違い
カムイユーカラ―節をつけて謡うように語られる語り。神謡。短い(15分~20分くらい)。主人公は一人の神様。
ウウェペケレ―節をつけないで話される話。説話、民話、伝説。長い(1時間半くらいあるいはそれ以上で短くても30分くらい)。内容が複雑で複数の神様が登場する。
ウウェペケレは、南の地方ではイソイタク、道東ではトゥイタ、カラフトではトウイタクと言っている。
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ユーカラ
ウウェペケレよりさらに複雑で各段に分かれていて長い。叙事詩。
アイヌ伝承の継承・保存
・江戸期―通詞(通訳)が書き残したものが残っている(量が多いものとしては四代にわたって書き継がれた根室の加賀谷文書がある)
・明治期―金田一京助やジョン・バチュラー等が書きとめた。
・昭和期―本格的に録音されるようになったのは戦後。昭和26年にNHKが行い、その後民放でも行われた。国や道によって行われたのは、遅れて昭和50年から56年の6年間。
・伝承されているものも収録されているものも、発表の場がなく多くの人が自由に見聞きする事が出来ないのが現状。
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 アイヌの伝承には、ユーカラと云うものがあることが良く知られていますが、その他にも形式の違うカムイユーカラやウウェペケレがあることは今回の講座で始めて知りました。また、収録されたり記録されたものを誰でもが自由に見聞き出来るような場がないと云うお話には危惧を抱かされました。





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