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講座5 《プロフェッサーコース》『北海道の果樹を学び・つくる』

第2回「果樹品種の作り方~家庭での楽しい果樹づくり」

2012/08/21

 8月18日(土)講座5「北海道の果樹を学び・つくる」の第2回「果樹品種の作り方~家庭での楽しい果樹づくり」が北コミセンで行われました。講師は前回と同じ村松祐司氏(元北海道立総合研究機構 中央農業試験場 作物開発部主査)です。受講者は25名でした。

 はじめに司会者から質問がたくさん出ることが予想されるので、講座の時間を1時間とし残り30分を質問の時間にするので質問内容を考えておいていただきたいとお話しがあり講座が始まりました。
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 まず最初に「品種改良とは...」と、品種改良の定義から始まりました。
1変異の拡大(交配などによって遺伝的に新しいものを作る)
2選抜(その中から目的にあったものを選ぶ)
3固定(遺伝的な性質が振れないようにする)
4増殖(品種として広く使えるようにする)
上記のような過程を繰り返し行われ、品種改良が行われるとのことでした。
 そして今日のテーマである「果樹品種のつくり方」についての話に入りました。
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まず
1.目的にそって親を選ぶ
例1果実の大きい品種を作りたい場合は果実の大きい品種を選ぶ 
例さくらんぼ:「南陽*ジューンブライト」
例2遺伝子が解明されてる場合は、その子供の特性が予想できる。
例さくらんぼ「セネカ*佐藤錦」の子供は全部赤肉となる
 2.親を決め、交配する
①父親とする品種の花粉を採取
②母親とする品種の開花前の花(風船の状態)の雄しべの除去
③その雌しべに父親とする品種の花粉をつけ、直ちに袋をかぶせる
3.種子の採取から播種
①交配した果実が大きくなったら印をつけ、果実を成熟させる。
②収穫期に目的の果実を収穫し、冷蔵庫に保管する。
(低温に接しさせる事が大切である)
③種子を果実から取り出し、水で洗浄し、温室で播種する。
(種子の表面には発芽抑制分質がついているので洗浄の必要がある)
*果実によって発芽の難易に差がある。
易しい...りんご、なし、栗  難しい...さくらんぼ
4.実生苗木を育てる
①発芽した苗を2年ほど温室で育てる
②苗木が50㎝程になったら圃場へ定植する。
③苗木を5~7年ほど育てると果実を着け始める。
5.良い固体の選抜
①目的にそったよい果実をつける木を選ぶ
②選んだ木から穂木をとり、台木に接木し苗木を作る
③苗木を主要産地の圃場に定着し、実用性を検討する
6.いよいよ最終段階
①接木した苗木は3~4年で結実し始める
②4~5年、果実などを調査する。
③調査の結果、実用性ありと評価された場合、品種としてデビューする。
④新しい品種として苗木を増殖する
一連の流れに沿って果樹品種の作り方を話されました。
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 つぎに家庭での楽しい果樹つくりのお話に入りました。
家庭果樹の楽しいところについて話され
①一度植えると長年楽しめる
②木の成長を楽しめる  
③花見が出来果実の成長も楽しめる 
④食べ頃の果実を収穫できる
等を挙げ、又家庭果樹の難しいところについては
①十分なスペースが必要である。 
②虫、害虫がつき易く防除が必要 
③鳥獣被害,雨等による実割れ等に逢いやすい 
④栽培が難しい
等を挙げていました。
また求められる果樹栽培の条件として、
①日当たりが良い 
②排水が良い 
③風当たりが弱い 
④栽培スペースが十分にある
などを挙げていました。
 一番重要な要素である、栽培スペースとしてりんごでは15㎡、さくらんぼ30㎡、なし、ぶどうで20㎡が必要であるとの事でした。
 各果樹の栽培上の特徴について、参考として
①樹体のおおきさ  
②防除の必要回数  
③栽培の難易などを表にあらわし説明されてました。

 そして最後に"いざ、果樹を植えよう"と題して 
①場所を決める
②スペースの確保
③土を入れるなど条件を改良 
④苗木の入手 
⑤春に融雪し、畑が乾いた頃に植え付け
と、果樹の植え付け前の準備と注意事項を話されました。
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 時間通り講義が終わり、質問時間に入りました。受講生から
①さくらんぼの木が1本あるが花は咲くが実がならない
②さくらんぼの木が実は沢山付けるが上部の実は大木になり取れないので中間で心止めをして良いか
③りんごの木が大木になったので上部をカットしてよいか
④果樹に薬を使いたくないがどうすべきか
⑤柿を種から育ている。現在実がなっているが北海道で育つか
などが質問され、
①に対しては受粉が上手くいっていないので、花をもらってきて受粉させてみてはどうか
②、③にたいしては切り過ぎないほうが良い。素人は切り過ぎるので適度な選定が良い
④に対しては現在の農薬は毒性の弱いものが主流であるので、そんなに神経質になることは無いとの事でした。
⑤に対しては柿は寒さに弱く、北海道では温度不足もあり基本的には熟さないのではないか。
と大変丁寧に質問に答えていただきました。
先生の熱意に受講者の皆さんも時間の過ぎるのも忘れて真剣に受講されていました。

 第3回は9月7日(金)中央農業試験場、くるるの杜見学です。ご期待下さい。




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