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講座4 『アートを探しに出かけよう』

第1回 「モエレ沼公園」と「アルテピアッツァ美唄」

2012/06/28

 6月23日(土)講座4『アートを探しに出かけよう』の第1回『「モエレ沼公園」と「アルテピアッツァ美唄」』を行いました。案内役は、平成23年度の講座「アートって何?」の講師であった藤女子大学教授の杉浦篤子さん、受講者は37名でした。

 朝8時に公民館を大型バスで出発、車中でモエレ沼公園ができた経緯や設計者であるイサム・ノグチの生い立ちなどについて杉浦講師から説明がありました。
・1982年(昭和57年)、札幌で緑の基本計画である「環状グリーンベルト構想」が提起、一方、モエレ沼周辺は将来公園にする約束で"ごみ最終処分場"として使用されていた。これらのことがモエレ沼公園の誕生につながった。
1988年3月イサム・ノグチが初めて札幌を訪れ、モエレ沼を大変気にいった。直ちに設計に取りかかり5月には一次案を提出、11月にはマスタープラン(図参照)を完成させた。彼のコンセプトは「地球を彫刻する」こと。完成した公園を目にすることなく、その年の12月ニューヨークで死去した(享年84歳)。
・ノグチは1904年、父野口米次郎(詩人)、母レオニー・ギルモアの子としてロスアンゼルスで生まれた。2歳から13歳まで日本で暮らしたが、さまざまな逆境の中でも成長し、医師野口英世のアドバイスで芸術家を目指した。パリに留学、彫刻家ブランクーシやバックミンスター・フラーなどから大きな影響を受けた。 
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 モエレ沼公園に到着し、杉浦先生の案内でガラスのピラミッド、3階のギャラリー、サクラの森およびノグチデザインのカラフルな遊具などを見学しました。10:30から15分間見事な「海の噴水」を見学した後、再度訪れることを心に誓ってモエレ沼公園を後にしました。 
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  国道12号線を通り、途中三笠・道の駅で休憩、13:00頃「アルテピアッツァ美唄」に到着しました。途中のバスの中では再び杉浦講師から安田侃とアルテピアッツァ美唄について懇切丁寧な説明がありました。
・安田侃は1945年美唄で生まれ、北海道教育大学岩見沢分校を卒業、東京芸術大学大学院に入学して船越保武(大理石彫刻の先駆者)の指導を受けた。
・1970年イタリア政府国費留学生としてイタリアに渡り、ローマアカデミア美術学校で彫刻家ファッツーニから学んだ。イタリアではミケランジェロの彫刻に代表される 人間のフォルムと量塊に圧倒されたが、「人間の死から新しい生命の誕生、生命の歓喜を呼び起こすような彫刻を創りたい」と考え努力を続けた。原点は故郷美唄の炭山の地底で生きたまま息絶えた人間の生と死であった。
・1985年日本でのアトリエを探していた頃、廃墟にされたままの旧栄小学校の体育館を使ってみないかとの誘いを受け、これがきっかけとなってアルテピアッツァ美唄が誕生した。校舎の一部に併設されていた市立栄幼稚園に通う子どもの姿が安田の心をとらえ、「子どもたちが喜ぶ広場をつくろう」と決心した。
・今回の講座ではモエレ沼公園とアルテピアッツァ美唄が取り上げられたが、イサム・ノグチと安田侃の間には大きな接点があった。安田はノグチの作品や仕事から大きな刺激を受けていた。大理石産地で親方ジョルジュの工房で二人は出会った。さらに、1986年にはヴェネチアビエンナーレ展でアメリカ代表として出展したノグチに安田が協力したことなどのつながりが二人を結びつけていた。

 アルテピアッツァ美唄で昼食を取った後、ここを管理運営しているNPO法人アルテピアッツァびばいの職員さんから説明を受け、いくつかの彫刻を案内していただきました。
・美唄はかつて北海道有数の炭鉱都市として栄えていたが、1973年最後の炭鉱の灯が消え、子どものいなくなった学校は廃校となった。美唄出身の安田が廃校となった旧栄小学校に出会ったことがきっかけで、ここができた。
・安田と彼の思いに共感した多くの人々の尽力により、1992年に広大な敷地をもつ世界でも希有な彫刻公園が開園した。
・水の広場のせせらぎの底にある大理石の白い小石は安田自身がイタリアでひとつひとつ選んで送ってきたもの。毎年夏にはボランティアが集まって小石の底についたコケを洗い落として、大理石の白さを保っている。ここは、このようなボランティアの力で支えられている。 
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 アルテピアッツァ美唄を管理しているNPO法人やボランティアの皆さんに感謝しつつ、参加者は広い芝生や木々の中あるいは校舎や体育館に点在する40点あまりの彫刻を見て歩きました。彫刻が自然と溶け合いながら豊かな空間を創っている姿に感動を深め、心豊かな午後を楽しむことができました。

 受講者からも
「至福の一日でした。さらなる企画が楽しみです」
「今日は参加して本当に良かったと思っています。"モエレ沼公園"ではサクラの森へ孫がいたら連れて行きたい!"アルテピアッツァ美唄"では新たな自分を発見!アートってすばらしいですね。講師の杉浦先生の説明はわかりやすく、親しみが持ててとても良かった。今までは美術館の中での鑑賞ではとても今日のような感動を味わうことができなかったでしょう!担当者の皆さん、お疲れさま、有難うございました」
「初めてアートを探しに参加して大変良かったです。必ずもう一度出かけます。この度の企画はすばらしかったです。杉浦教授の出会いがこの講座に花を添え、本当に有難うございました。エイ、エイ、オー 市民カレッジの発展を祈念申し上げます」
「大自然の中でこのような芸術にふれられて私今幸せです。先生のお話しもくわしく説明していただき有難うございました。市民カレッジに入会していないのですが、また機会がありましたら参加したいと思います」
「今までなにげなく見て歩いていた作品等が、先生のわかりやすい丁寧な説明を聞いて、今回思いをアラタに感じることができました。有難うございました」
などのコメントが寄せられました。




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