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講座6 ≪プロフェッサーコース≫古生物学の世界~地球生命の謎を解く

第2回「地球環境と生物の進化」

2011/08/12

 8月11日(木)講座6 『古生物学の世界~地球生命の謎を解く』の第2回「地球環境と生物の進化」を花川北コミュニティセンターで行いました。講師は、札幌市博物館活動センター学芸員で理学博士の古沢仁さん、受講者は屯田北中学校科学部の生徒さん22名を含めて56名でした。

 今回古沢さんが用意された資料は、前回のアンケートの要望に応えて、項目を大きく見やすくし、カラープリントされていたので、大変分かりやすくなっていました。

 

021.JPG お話は、まず前回の質問に答えることから始まりました。
質問は、大河が山の表土を浸食して平野や扇状地を作るエネルギーは、大洪水だけなのか?というもの。
それに対して古沢さんは、豊平川が作った扇状地を見てみると、右岸(4万年前)と左岸(1万年前)とではその成立年代が違うが、いずれにしろ大きな洪水によるものであろうと答えられました。

 そして本論に入りましたが「今日は、参加してくれた中学生さんができるだけ面白く聴いて頂けるように話したいと思います」と先ず、1,749,577という数字を提示されました。これは何の数字でしょう?
実はこれは現在確認されている地球上の生物の種類数なのです。確認された数ですから確認されていないものを加えると5,000,000種とも20,000,000種さらに200,000,000種とも云われています。

 私が研究している古生物学は、地球上にわずかに残された化石を集めて過去地球に生きていた生物を解明する学問です。

 さて、背骨を持つ脊椎動物は従来、魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類という分類でしたが、現在では、鳥類は爬虫類の中に入れられています(鳥は恐竜の仲間)

 

005 (2).JPGのサムネール画像 今日お話しするカイギュウは、水生哺乳類(海生哺乳類)ですが、サッポロカイギュウについて8つのミステリー、ということでお話を進めて行きます。

 ミステリー1. カイギュウはなぜ人魚にまちがえられたのか?
カイギュウの仲間のマナティーが水上の水草を食べる時の姿ではないでしょうか。

6-2-7.JPGのサムネール画像 ミステリー2. なぜ人魚がクジラにまちがえられたのか?
1980年滝川市空知川河床で動物の骨が発見されました。最初は、背骨が大きいため私はクジラだと判断し、その年の道内十大ニュースとして報道されましたが、肩甲骨の形からカイギュウ(タキカワカイギュウ)だということが分かり、新聞にも、クジラではなく海牛,それでもやはり貴重な発見、と訂正記事が出ました。
ちなみに、2003年に小学生の女の子が発見した「サッポロカイギュウ」の時は、肋骨の形状でカイギュウだと分かりました。というのは、カイギュウは、海に沈みやすいように肋骨の内部が緻密で重くなっているのです。

6-2-10.JPGのサムネール画像6-2-13.JPGのサムネール画像 ミステリー3. 海に棲むカイギュウがなぜ海のない札幌からみつかるのか?
札幌は4万年前に支笏火山が爆発する前は海だったからです。

 ミステリー4. サッポロカイギュウが生きていた年代はどうやってわかるの?
化石が閉じ込められている地層のジルコン(けい酸ジルコニュウム)に含まれるウランが一定の核分裂を起こすことを利用して判定します。発見されたサッポロカイギュウは、820万年前のものでした。

 ミステリー5. 水中から陸へ進化した動物が再び水中へ帰ったのはなぜ?
生物が陸に上がったのは、人間の年齢に例えるとようやく72歳の頃、73歳で適応し、78歳になり再び水に戻る生物が現れたのですが、これは、食物が多かったこと、天敵が少なかったこと、一定の温度の安定した環境があったことによります。

 ミステリー6. サッポロカイギュウはなぜ大きくなったのか?
草食性の動物は、微生物の力を借りて栄養を吸収しますが、微生物による分解は時間がかかる為植物を大量に長く体内に留めることができる大きな消化器官が必要となりそれを収める大きな体が必要となるのです。(サッポロカイギュウは海藻を食べていた)また、「ベルグマンの規則」によると、寒冷な環境に生息するものほど大きくなる傾向があります。それは、大きな体の方が熱が奪われにくいことによります。サッポロカイギュウが出現した時代は、温暖な環境から寒冷な環境へと移行する時代でした。このような事から、サッポロカイギュウは、体長7m体重4トンの大型哺乳類でした。

 ミステリー7. サッポロカイギュウはどこへいったか?
1741年、ベーリング率いる探検隊がベーリング海のある島(のちのベーリング島)で座礁、ベーリングを含め多くの船員が飢えと寒さで死亡しました。その時、巨大な生物が発見され、それがカイギュウでした。カイギュウは食べて美味しかった事が報告されています。カイギュウはその後乱獲されて、1768年を最後に絶滅してしまいました。

6-2-19.JPG ミステリー8. 第2、第3のサッポロカイギュウは発見されるのでしょうか?
化石が残っていても、木が生えたりして障害となり、豊平川が削っているわずかな部分でしか可能性がないので、カイギュウに巡り合えるるのはなかなか難しいことです。

 こうして8つのミステリーを解明するお話を聴いて、カイギュウとはどんな動物なのか、いつごろ生息していた動物なのか、どうして札幌でカイギュウが発見されたのか、カイギュウが大きいのはなぜなのかなど、カイギュウについてたくさんの事を学ぶことが出来ました。

 受講した中学生の皆さんからも

「とてもおもしろく、とても楽しくて時間がすぐたってしまいました。中学生にとっては、新しい発見や学ぶことがたくさんあり、楽しい時間でした。また色々と聞かせてほしいです。ぼくも、昔の生物や化石に興味があったので、さらに楽しく聞かせてもらいました。学ぶことも多く他の人にもすすめたいです」

「今日の講座は、パワーポイントがとてもわかりやすく、古沢先生のお話もとても面白くてためになりました。カイギュウなど昔の生物について興味をもちました」

「とても内容が分かりやすくていねいに説明されたおかげでカイギュウについてとても詳しくなれたと思います。この講義のことを思い出して活動したいです」

「まだ人の目にふれていない生物がたくさんいるとは思っていませんでした。今後も、このような取り組みを続けてください」

「サッポロカイギュウの発見される迄の経過について良く分かった。札幌はかって海だった事等、カイギュウの住んでいた年代や食物等不思議が次々と解明された」

「『古生物学』と一言聴くと難しくきこえ、なかなか触れる機会がありませんでしたが、とてもわかりやすく教えて頂きありがとうございました」

「今まであまり知らなかったサッポロカイギュウについて、8つのミステリーを通して知ることができました。とても楽しかったです」

等などのコメントが寄せられ、生徒さんたちも講義を大変興味深く聴いてくれたようです。

 最後に、進行役さんから、古沢さんのお話が一番最初に載っている「化石から生命の謎を解く」という本が紹介されて、今日の講座は終了しました。

 

6-2-20.JPG 

  

 




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