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主催講座10「石狩における明治・大正期の輸送の歴史とその時代背景」

第1回「石狩川舟運・治水事業の歴史的役割と港湾建設・鉄道誘致の計画とねらいとは何か」

2019/10/04

10月1日(火)、主催講座10「石狩における明治・大正期の輸送の歴史とその時代背景」の第1回「石狩川舟運・治水事業の歴史的役割と港湾建設・鉄道誘致の計画と狙いとは何か」を花川北コミュニティセンターで行いました。講師は、北海道産業考古学会会長で元酪農学園大学教授の山田 大隆さん、受講者は49名でした。
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最初に産業考古学についてのお話がありました。
◇産業考古学について
1.産業考古学とは
・産業遺産の保存、研究を行い未来に役立てる新しい学問。産業遺産とは、過去の産業活動の結果として残された有形資料(工場、鉱山、機械、港湾、鉄道、建築物等々)で、産業技術の発展及び地域社会の発展に重要な役割を果たしたもの。産業文化遺産ともいう。
・技術の地方性を重視(基本原理は普遍的な技術もその実践においては地方性を持つ)
・過去を知り、現代を理解し、将来を考える学問で歴史学の一種でもある
2.学会の責務
(1)産業技術の生成、発展の過程を伝え、これから進むべき方向を示す
(2)創造、開発、実践の実相を示し、その感動と本質を伝える
(3)技術と人間・社会の関わりを示し、その影響力と波及効果を示す
(4)地域社会、組織の歴史と伝統を示し、その個性をアピールする
3.産業考古学の発祥と展開
・1955年、産業革命期の遺産の調査と評価を目的としてイギリスで提唱された
・現在では世界的に拡大し、1972年以降国際会議が3年に一度開かれている
4.日本の組織と活動
1977年創立、会員数600名、支部、関連学会合わせて15学会がある
5.北海道産業考古学会
1978年創立、1982年で会員数100人
北海道の開発技術は、大資本投入、海外大規模技術・技術者導入、専業都市建設、植民政策、大型鉄道・港湾による輸送体系確立と云う植民地開発型技術の特色を持つ。
・遺産の保存
小樽運河、夕張石炭博物館、函館ドッククレーン、農機具類など
・推薦産業遺産
住友赤平立坑櫓と関連資料、更別村神野澱粉工場、泊村の田中の袋間遺構、北見市ハッカ取卸油生産機械群
6.北海道林業史の産業考古学
十勝三股の森林集落は、昭和初期1500人の人口を擁す集落だったが外国材輸入の急増により衰退し現在は2軒のドライブインを残すのみ。この事例は、北海道特有の効率的植民地開発型技術展開の盛衰の典型を示す。
今後はエコミュージアム形成地としての活用を目指しており、学識経験者にもその価値を認められている。
7.産業遺産に関わる文献の紹介
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8.個々の北海道産業遺産の紹介
次に、画像を示しながら、個々の遺産が紹介されました。
(1)石炭
日本の近代化は、炭鉱から始まった。技術については、イギリスの技術が九州に、ドイツ、アメリカの技術が北海道に取り入れられた。
・幌内炭鉱(北炭)
ドイツの技術を取り入れた道内最初の炭鉱。石炭は鉄道(幌内線)で小樽へ運ばれ、本州へ送られた。炭鉱は、炭鉱技術と輸送体系が結びついて発展した。
・奔別炭鉱(住友)
東洋一の高さの櫓を持つ。平成13年に北海道遺産に選定。
※道内ではいくつかの財閥が競い合って炭鉱を経営したが、それぞれ独自に培った技術を持っていた。
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(2)鉄鋼
北海道には大きな都市はなく鉄の需要は少なかったが、本州と離れていることによる軍事上の安全面から室蘭に日本製鋼所と北海製鐵2社の製鋼所が設置され、製鉄、製鋼一貫システムが作られた。
生産された鋼材は質が良く、戦艦大和の大砲にもなった。現在は、原子力発電所や火力発電のタービンローターが作られている(世界の原子力発電所のタービンの7割がここで作られている)
刀鍛冶もいて、その鍛造技術を製品開発に利用している(昔の技術と現代の技術の融合)
大変難しい航空機のエンジンも作る技術を持っている。
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(3)その他
滝川の人造石油工場、泊の袋間遺構、渡島当別蒸気自動車工場、JR苗穂工場の動輪旋盤、トラクター群、製糖所機械等々

◇石狩川舟運・治水事業の歴史的役割と港湾建設・鉄道誘致の計画とねらいとは何か
輸送体系には、いくつかの発展段階があって、最初は原始河川の利用、次に運河の利用、馬鉄と続いて最後は鉄道の利用となる。石狩においては、河口に港を作ることも構想されたが、実利的ではなく、利根川で使われていた外輪船を導入(上川丸など)して河口から江別まで輸送した。外輪船は小舟を数艘引っ張って輸送量も大きかった。江別からは、札幌へは鉄道で、川上の空知地方へは外輪船で輸送された。このように石狩川舟運は初期の北海道開拓の推進には重要な役割を果たした。石狩・札幌間の往来は、当初は運河、その後馬鉄が使われたがいずれも長続きはしなかった。石狩札幌間の鉄道敷設構想もあったが、実現しなかった。
・江別市防災センター
外輪船・上川丸の実物大の模型が展示されている。外輪船は平底で浅い川でも運行する事が出来た。上流は、樺戸集治監のあった月形や深川まで運行。
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石狩川舟運については、お話された時間は短かったのですが、その歴史や意義などが良く分かりました。また、あまり聞き慣れない産業考古学のお話も大変参考になるものでした。
最後に寄せられた受講者のコメントをご紹介します。
「普段なかなか聞く機会のない新鮮な感覚で産業考古学の話を伺うことができ、興味深かったです。映像も加わり山田先生の話しも深く豊かな充実した内容でさすがに聴き応えのある講座だったと感じました。ありがとうございました。次回も大変楽しみにしています。(山田先生の膨大な知識と見識には驚くばかり!!)」
「産業の発展による、炭鉱、鉄道、鉄鋼等の歴史について学ぶ事が出来、大変勉強になった。ありがとうございました」
「子供時代を三笠の炭鉱町で育ったので、立坑櫓などの写真は懐かしかった。勉強になりました」
「『産業考古学』の説明を聞き、これまでの人生においては全く関係のないものであった。遺産として残すために『学問』が確立され、軌道に乗っている段階にあることが判った。ものを見る目、今後出歩くことがあれば今日の講演を意識していこうと思います」
「これからも忘れられてはいけない産業遺産。保存し続けるのは、本当に、山田先生の様な隠れた方々のご努力があっての事なのですね。頑張って下さい。ありがとうございました」
「知りたかった外輪船の話しがやっと出ました。なかなか前段が長く難解だったが後半の技術史のところは非常に興味深く石狩川の水運の様子が伝わってきました。北海道開拓の頃の舟運の役割も同時に分かりました」




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