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主催講座6「夕張を訪ねてⅡ」

2019/07/29

 7月24日(水)、主催講座6「夕張を訪ねてⅡ」を行いました。受講者は、46名。
8時30分に公民館を出発して10時に夕張に到着。市役所で夕張市の概況説明を受けました。
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◇夕張市概況説明
1.現在人口は、8,049人(H31,3,31時点、6月末では8,000人を切っている)で、15歳未満人口率5,5%は全国最低、65歳以上人口率51,1%は全国最高となっている。石炭産業で発展して、人口が最大116,908人(昭和53年)になったこともあるが、石炭産業の衰退とともに急激に減少。
2.閉山後は、「炭鉱から観光へ」を合言葉に、多くの所謂ハコモノを建設。ほとんどがうまくいかず、負の遺産を残すこととなった。
3.財政破綻の要因
・撤退した炭鉱会社が残した多くの住宅やインフラの継承・維持管理コスト、改修コストの負担大。市の全戸数6,552戸のうち公営住宅数4,069戸
・観光施設への過大投資
炭鉱生活館、知られざる世界の動物館、アドベンチャーファミリー、ロボット大科学館などは、解体。メロン城、ホテル・シューパロ、マウントレースイ(ホテル、スキ―場、民間企業から取得)などは、売却。
・行政体制効率化の遅れ(職員数が類似団体の2倍《H17》)
これらの問題がある中、急激な人口減による税収減などによる歳入の減少と不適切な財務会計処理による赤字隠し、実質的赤字拡大があった。
4.財政再生団体への経過
・平成18年度、財政再建計画(353億円の赤字を平成18年度~平成36年度まで18年間で解消)を策定、平成19年3月に総務大臣の同意を得て、財政再建団体となる
・法律の改正にともない、財政再生計画を策定(平成22年3月総務大臣同意)して、321億9900万円の特例債で赤字を解消、特例債を平成22年度から38年度までの17年間で償還する財政再生団体となる
※総務大臣の同意がなければ、予算計上、給与改定、職員採用が出来ない
5.財政健全化の状況
・約350億の負債は、これまで約150億以上を返済、負債残高は、平成18年度末353億円⇒平成30年度末192億円
・人口は、平成18年度末12,631人(高齢化率41.7%)⇒平成30年度末8,049人(高齢化率51.1%)
※このまま借金だけ返していても、人も活力も残らない、と云うことになりかねない。2040年の推定人口は、2,882人
・平成29年度3月に財政再生計画の抜本見直しを実現⇒財政再建と地域再生を両立させるため、市民と市役所が一丸となって取り組んでいく!
6.地域再生へ向けて
・もともと炭鉱の坑口ごとに分散的に形成されたまちで、まちの機能維持が困難⇒南北軸を中心に都市構造を集約するコンパクトシティ化を進める。居住人口が最も多く、商店や学校が集積、地理的にも市の中心に位置する「清水沢地区」を将来の都市拠点と位置づける
・「南清水沢地区」に図書館機能、子育て支援機能、子供の放課後居場所機能、交通結節点機能を持つ「拠点複合施設」の創設を令和元年度供用開始予定で進める
・市内交通体系の構築
JR北海道に対して、「JR石勝線夕張支線」の廃止を提案、今後20年間のバス運行に必要な費用、初期投資、JR運賃との激変緩和措置などに活用する7億5千万円の拠出を得た。
・「地元高校生と共に創る地域交通の未来」
地元高校生とともに、「バスまちスポット」の整備、「スクールバス予約システム」整備に取り組んだ。
①「バスまちスポット(仮拠点)」の整備
高校の家庭科の授業で機能や空間デザイン案を策定。バリアフリーのためのスロープ、多世代が使いやすい小上がり、学習スペースなど、高校生が考えた案に沿って建設。勉強の場、交流の場、子供たちの居場所としても機能している。
②「スクールバス予約システム(ピコピコシステム)」
スクールバスの最終便を生徒自らが乗車予約することで、配車の最適化を行い、年間運行便数を40便削減、運行費を136万円削減できた。
※地域課題を教材として高校生が参画したことから、生徒にまちの将来を本気で考え、それが実際に還元される経験を与えることができた
※中高生の取り組みやその成果を住民全体にフィールドバックすることで、持続可能な地域交通に向けた利用者側の意識づけにつながっている

 以上の様に、厳しい中にも未来に向けて進み始めている状況についてお話を聴くことが出来ました。

◇夕張市石炭博物館
博物館は4月に火災に見舞われましたが、模擬坑道以外は6月にオープンして、学芸員さんの案内によりじっくりと見学する事ができました。模擬坑道は見られませんでしたが、2階と地下展示場を見るだけでも、炭鉱のことがすべて分かるようになっていました。
1階
企画展「本邦国策を北海道に観よ!北の産業革命炭鉄港」が行われていました。
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2階
夕張がこれまで辿ってきた歴史を時系列で学べるように展示されていました。
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地下展示室
マネキンを使ったジオラマや実際に使用されていた機械が展示されていて、石炭の採掘について学ぶ事が出来ました。
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◇メロン共同選果場
夕張メロンの作付け農家は、110戸。6月から8月まで出荷。共選場では、検査員が厳密に等級付け(良、優、秀、特秀)しているそうです。
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また、模擬ハウスも見学。メロン栽培の一端を垣間見ることができました。
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 メロン共同選果場を見学した後、長沼の道の駅「マオイの丘公園」に寄り、買い物などをして、石狩に戻りました。
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 夕張の再生は、どこの市町村にも共通する問題を多く含んでいて、他人事ではなく色々考えさせられた一日でした。
  
 最後に、受講者から寄せられたコメントをいくつかご紹介します。
「夕張市の財政状況などを学べて有意義な研修会でした。メロン農家さんのお話も良かったです。時間に余裕があったのでもう一カ所見学出来たのでは」
「前回と違った市の説明、博物館の展示と、とても良かったです。メロンの選果場の様子も初めて見学できて、人間の五感で選別していたのは意外でした。市民、高校生参加のまちづくりも参考にしたいですね」
「リニューアルした博物館を学芸員の案内で有意義に学習することができた。夕張メロンの選果場は、人の伝承により(運営)されていて、機械化されていない事に驚き、今後の産地ブランド維持に疑問。現地を見る事は大変有意義ですので、今後とも企画をお願いします」
「炭鉱の歴史村は20年ぶりに見学したが、昔の坑内作業や施設がわかりやすく展示され、懐かしかった。メロンに関しては、集荷した製品のチェックが厳しく市場に出回る迄の工程がわかった。品質管理により他の商品より販売価格が高く設定されているのも納得した。これに類するバス見学を増やしてください」
「夕張市役所⇒取り組んでいる状況がわかった。石炭博物館、メロン選果場⇒ユニークなガイド説明で大変わかりやすかった」
「昨年に続き、今年も参加させてもらいました。今年はメロンの選果の所を案内して下さった方、とても良かったです。石炭博物館を案内してくれたガイドさんも良かった」



 




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