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主催講座13「続・北海道150年物語」

第2回「北海道の農業の歩み」

2017/12/26

 12月6日(水)主催講座13「続・北海道150年物語」の第2回「北海道の農業の歩み」を花川北コミュニティセンターで行いました。講師は、北海道大学農学部准教授の東山寛さん、受講者は51名でした。
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 東山さんは、最初にご自身の所属されている北海道大学農学部農業経済学科の紹介から話を始められた。新渡戸稲造さん等の輩出されたところですが、最近非常に良い紹介の仕方を思いついた。いま丁度『探偵はバーにいる』が公開さているが、主人公の松田君は北海道大学農学部の助手と設定されており、紹介がやりやすくなったとのことです。
 
 本日の講義は4つのパートに分けてお話をしたいと、①日本のフロンティアとしての北海道について話し、続いて②北海道の開拓、③戦前の北海道農業、④戦後の北海道の農業と続け、農業の歩みを振り返ってみたいと、話を始められた。

1.日本のフロンティアとしての北海道
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・日本の近代国家として明治政府ができあがったが、明治政府は土地問題をどのように処理したか。
 農地については、これまでなかった近代的所有権を導入した。それまでは、この農地は誰のもの、この田んぼは誰のもの、というとい考え方がなく共同体であった。それを、一人一人の個人の所有権とした。地券というものを発行し、地租を改正し税収とした。
 林野はどうか。日本の伝統的な農村は村があって、山があって、田んぼがあるという作りであった。山も共同体であった。明治になって、山はいろんな資源があり個人に分割できず、村で持っていた持山を官有林とした。国有林の始まり。
 さて、北海道の土地はどう処理したか。基本的に「所有者のいない」未開地であり、明治政府は編入することにしたが、たいへん困った。
ここで「所有者のいない」を括弧書きにしているのは先住民がいたからで、すでにアイヌの人たちがいたのでこのように書かざるを得ない。

2.北海道の開拓
2-1 藩を挙げての移住
・北海道の開拓についてみてみると、松前藩があったが、開拓に何も貢献してこなかった。函館は、高田谷嘉兵衛が拓いた。開拓するためには、まず道路を作らねばならなかったが、松前藩は道路1本作っていない。
・北海道の開拓の始まりは、戊辰戦争(ぼしん戦争、1868-9年に旧幕府軍と新政府軍に分かれて闘われた)後に藩を揚げた移住です。明治政府にどこそこに入りますと許可をもらって入植した。その筆頭は伊達・亘(わたり)藩が明治2年に今の伊達市に入っている。その後も角田(かくだ)藩、白石藩、岩出山藩と続いている。その後、淡路島が入る。
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2-2 屯田兵制度
・士族屯田:最初に入植したのは、サムライであった。明治8年に琴似、山鼻、新琴似が最初で、その後、室蘭・輪西、厚岸・太田、根室・和田へ入る。メインの仕事は北方警備で職業軍人であり、開拓はしていない。そのため、日清戦争、日露戦争にかり出された。
・平民屯田:明治24年の旭川が最初で、内陸の開発が目的であった。
・明治32年の士別が最後であった。

2-3 北海道庁の設置
・明治19年に開拓史が廃止され、北海道庁が設置された。
・道庁は、区画整備事業を行う。明治23年に植民区画を選定する。
1区画300間(540m)に6戸の農家を配置する。
・この制度により開拓は爆発的に進展した。
・明治30年代前半に北海道農業の基礎が完成した。
~空知川の岸辺には、1戸分5ヘクタールの大規模農業が行われた。

3.北海道農業
3-1 戦前の北海道農業=畑作から出発
・この大規模農業は、アメリカをモデルとした。
~畑作から出発した。農作物は、豆、デンプン(馬鈴薯)、亜麻、除虫菊など。
・第1次大戦期に空前の輸出ブームとなる。
~豆景気、デンプン景気
~しかし、第1次大戦後反動で恐慌に陥いり、畑作農業が行き詰まり稲作への転換を図る。

3-2 戦前の北海道農業=酪農と乳業の発展
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・札幌酪農信用販売購買組合(サツラク)の設立(1920年)
~札幌を中心に恵庭、旭川、千歳、伊達などのエリアで作られた広域農協。

3-3 戦後の北海道農業
・1931年の満州事変で植民地開発
~北海道農業が見捨てられる。
・敗戦で食糧増産は北海道へ
~大規模開発事業
根釧台地(1955年)、篠津原野(1956年)
~この大規模開発が、北海道農業を特徴付ける。
・1969年米過剰で減反
・野菜策への転換
~平取トマト(40億円)、知内ニラ(10億円)
・肉牛(和牛)の導入
・三本柱に園芸(および畜産)が加わり四本柱となる。

4.まとめ
①北海道開拓の基礎は「植民区画」にあり
~アメリカ開拓のホームステッドとの類似性。
②北海道農業の原型は畑作、戦前は輝かしい輸出農業の歴史
③戦前期の転換により稲作・畑作・酪農の三本柱が形成された
~日本のどこにもない、北海道だけの特質。
④戦後に大規模開発、減反による複合化(特に園芸)という特徴が加わり、「4本柱」の農業へ。日本の食料供給を支える揺るぎない存在。これからもそうあり続ける
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◆おわりに
 今回の講座は、「続・北海道150年物語」と北海道の近・現代史に焦点をあて、明治時代以降における北海道の主産業である漁業、農業、石炭産業の歩みを学ぶものである。第1回は「北海道漁業の歩み」で始まり、第2回目として「北海道農業の歩み」を行った。
講座は、戊辰戦争後の北海道開拓から今日までの歩みについて、漫画のヒロインや高田谷嘉兵衛などの人物の紹介やエピソードを随所にいれ楽しく拝聴することが出来ました。受講者の感想でも、農業の歩みをよく理解できたとの感想のほかに講義の話し方についてもわかりやすく楽しかったとの感想が多く寄せられていました。

 以下に、その主なものを紹介します。なお、スライドに映っている指示棒は、東山さんの愛用していた釣り竿のことでした。
・終戦後(昭和22年)開拓地に入植し、そこで育った私にとって大変興味深く勉強になりました。先生の話し方も人をひきつけ、きさくに聞けるすばらしいものでした。
・北海道のことが大変良く理解できた。説明も堅い話でなく面白くもありました。このような大学での講義では学生にも人気があるのではないでしょうか。
・テレビ、マンガ、小説などで分かりやすい事例を示しながらのお話しは、親しみやすく理解しやすかった。内容も北海道農業の歴史、流れ、且つ良くまとまって大変分かりやすかった。
・大変分かりやすく、しかもとても楽しい講座でした。最近ゴールデンカムイを読んでいることもあり、アイヌのことに触れて頂き、大変うれしかったです。
・パワーポイントの説明資料や四方山話など、ユニークな講座でした。時間配分的には少し「北海道開拓」に関する時間が少し多かったように感じられました。「北海道の農業の歩み」というテーマを考慮すれば、開拓についての説明はもう少し少なくてもよかったと思います。講座の内容としては非常に充実したものでした。
・おもしろかった!! わかりやすく、楽しい講座でした。(釣り竿も有効でした)。先生のお話ぶりも軽快で、ききやすくテンポ良く150年の歴史(農業から見た)を見ることがで
きました。一つ一つの資料、写真効果的で興味深かいものでした。紹介された小説のいくつか、まだ読んでいないものもこれから読んでみたいと思っています。
・北海道の150年物語について、次の講演を希望する。
◎林業について◎物資の輸送について◎教育について◎道政について◎住宅について
・大変興味深く、充実した北海道農業の話でした。また、機会を作っていただき様々なテーマについて学びたいと思います。
・エピソード等をおりまぜての話が非常に楽しく講義に聞き惚れました。
・膨大な未開の地を開拓する人たちをイメージしながらお話を聞いていました。北海道の地名も読めない所も多く、まtだまだ理解するには至りませんでした。
・今日の東山教授、私達に本当に訳わかりやすく楽しい講義でした。ぜひ続編をお願いしたいものです。
・大変良い話で、短時間で農業概要が判りました。戦後の話をもう少しお話してもらいたかった。
・プリントの項目毎に補助して下さる逸話が面白かった。時間が足りない程の有意義な講座でした。
・話がおもしろくわかりやすかった。まだまだ話をききたいと思いました。北海道の開拓と農業のかかわりが理解できました。




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