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特別講座「どうなる?どうする?北海道の鉄路~新幹線とローカル線」

2016/02/25

 2月21日(日)、特別講座「どうなる?どうする?北海道の鉄路~新幹線とローカル線」を花川北コミュニティセンターで行いました。講師は、北海道大学大学院工学研究院准教授で道運輸交通審議会副会長の岸 邦宏さん、受講者は39名でした。

 岸さんは、浜益生まれで、花川南中学校を卒業されたそうですが、講義を第1部、第2部に分け、第1部は北海道新幹線について第2部はローカル線についてお話をされました。

 以下はそのお話の概要です。

1.北海道新幹線のお話
 
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◇新青森~新函館北斗までの開業は平成28年3月26日
◇所要時間
東京~新函館北斗は最速4時間2分。青函トンネル内が貨物列車との共用のために新幹線は時速140㎞で走らざるを得ず、4時間を切れない。
◇航空機とのシェア
北海道大学佐藤馨一先生の研究によると、所要時間差が1時間であれば、50%は新幹線が利用される。
◇所要時間と運賃の相関関係
新幹線の相関係数は0.96でほぼ1なので、運賃によるシェアー配分は、所要時間による配分にほぼ等しい。しかし、北海道新幹線は運賃が割高なので心配がある。
◇開業効果(経済効果)
・経済波及効果は、年間136億円と言われている(日本政策投資銀行の方の試算)が、これは136億円もうかるというより、136億円のお金がまわるということ。
・観光業(サービス業)が地域に与える影響は大。観光業がもうかると、他の産業にもお金がまわる。農業、漁業に従事する人が新幹線を利用しなくても新幹線の開業がきっかけでお金がまわってくる。⇒北海道新幹線でやってくる観光客を増やすことが、北海道全体への経済波及効果につながる。
◇新幹線の利用者への効果
所要時間の短縮、移動経費削減、悪天候による運休リスクの減少、新幹線と航空の使い分けができる。特に東北地方、北関東地方と北海道の移動が容易になって地域の結びつきが強くなり、新たな軸ができる。
◇新幹線のネットワーク
全国が線で結ばれる。
◇新幹線2次交通の状況
・鉄道ネットワーク
新函館北斗駅と函館駅は、「はこだてライナー」で結ぶ。特急列車スーパー北斗、北斗はすべて新函館北斗駅に接続されている。五稜郭~木古内間は道南いさりび鉄道が結ぶ。
・バスネットワーク
今後は重要となってくる。都市間バスは新函館北斗駅を経由。既存路線バスも新函館北斗駅への乗り入れ。
・航空ネットワーク
現在は、函館空港からは新千歳空港と丘珠空港、奥尻空港しか結ばれず、道東、道北方面への直行便は運行されていない。
・新幹線駅周辺の交通関連施設等の整備状況
駐車場584台分。レンタカー会社7社、タクシー会社1社。バスの停留所は敷地外。
◇函館圏をハブ地域へ
・北海道新幹線の開業により、青函地域を経由して移動する選択肢ができる。
・函館圏としてのチャンス
函館を経由する人を立ち寄らせ滞在させる為の課題として、新函館北斗駅と函館空港間のアクセスが重要。
①直通のアクセス+函館市中心部を経由するアクセス
②函館新外環状道路の早期開通
◇新幹線函館開業に向けて2次交通の方向性
・はこだてをハブとした新たな交通ネットワークの考え方
・高規格幹線道路は今の計画を着実に進める
・道内航空路線については函館~地方空港路線再開の最後のチャンスである
・道南地方の2次交通
①周遊に力を注いでいる現状
②いまある公共交通(路線バス)を活用し、隣町どうしをつなげると、道南地方のネットワークができる
③観光客を利用すると、生活交通の維持につながる
◇利用者の新幹線運賃に対する「値ごろ感」(平成14年12月にスーパー白鳥車内で行った意識調査)
値ごろ感は、東京~函館で16,750円(ビジネス目的19,070円、観光・私用目的16,390円)
◇新幹線開業に向けて
・JR北海道にとっての最適な運賃(22,000円)と利用者の値ごろ感とは差がある
・新幹線による北海道経済の活性化(北海道に来る観光客を増やす)は、新幹線の建設費の3分に1を北海道が負担しているように、一番の命題。JR北海道にはもう少し北海道全体を見渡す視点を望みたい。
・道東・道北への2次交通
函館経由の新たな需要を掘り起こすチャンス。
◇北海道新幹線の課題
青函トンネルで、速い新幹線と遅い貨物列車をどう共存させていくのか?

2.ローカル線のお話
 
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◇JR北海道のローカル線をとりまく環境
・2011年5月27日にJR北海道石勝線脱線火災事故が発生
以降、安全に関するトラブル・問題が頻発して鉄道の安全に対する信頼が揺らぐ。
・厳しい経営状況による安全対策への妨げ⇒2015年6月JR北海道再生推進会議の提言により、選択と集中、地方路線の廃止の検討を迫られて、北海道の鉄道網のあり方が問われている
・JR北海道は、この提言を受けて「聖域のない検討」「選択と集中」という考え方の下、地方路線廃止の意向を該当する沿線自治体に示している
◇鉄道運行地域(札幌市、釧路市、標茶)における住民の意識調査
・事故トラブルは、社内体制が問題
・赤字路線廃止については地方ほど反対が多い
・JR北海道への公的支援は、半数を超えた人が必要と考えている
◇鉄道廃止地域(中標津町、足寄町)における意識調査
・標茶は70%が廃止で衰退したと答え、中標津は40%
・赤字路線廃止は半数が容認
・JR北海道への公的支援には半数弱が肯定するが分からないと云う人も多い
◇鉄道不通地域(新ひだか町、日高町)のおける意識調査
・赤字路線の廃止には反対意見が多い、JR北海道への公的支援には半数以上が肯定
◇北海道~地域公共交通検討会議での議論
JR北海道は赤字路線で厳しい、時間がない、元々赤字前提で起き上がった会社だ、鉄道の維持に沿線自治体は協力すべきか、国鉄の分割民営化の総括はどうなっているのか、地方では鉄道利用者は少ない、地域住民の生活交通手段を守ることは絶対必要等議論が百出してまとめるのは難しい⇒さてどうなる?どうする?

これに対して岸さんの研究の紹介がありました。
◇JR北海道が経営分離する予定の小樽~函館間の並行在来線区間について、余市町と倶知安町で札幌までの公共交通サービスレベルに対する満足度を調査した研究から得られた知見
・鉄道の維持:採算性や街づくりの観点も必要
・これまで、公共交通サービスレベルの議論がされてこなかった
・ルート等適切な運行方式をとることにより住民の満足度は鉄道よりもバスのほうが高くなる
・高速道路整備も含めた総合交通体系の検討が必要
◇まとめ
・現状の鉄道路線を将来にわたって維持することは難しい
・その地域において、本当に利便性の高い交通手段は何かを考える必要がある(鉄道、バス、自家用車、高速道路など)
・一方、地域の議論だけでなく、北海道のネットワークとしての議論も必要
・北海道の将来ビジョンを示し、そのための交通を考えていくことが本来あるべき議論の姿である
 
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 以上が本日のお話ですが、新幹線とその波及効果及びローカル線のこれからのあり方についてだけでなく今後の北海道の交通体系をどう考えるかについても大変示唆に富むものでした。

 受講者からもたくさんのコメントが寄せられましたので、その一部を紹介します。

「北海道新幹線に係る時間、経済、地理等々多方面にわたって説明頂きました。又飛行機との問題、そして函館を中心とした航空路の問題等この講座によってかなりの知識を得る事が出来非常に喜んでいます。学問的な話と現実の話を組み合わせて頂きました。ローカル線についても良くわかった。地域に応じた交通は何かを考える事が大事」
「充実した資料ときめ細かいお話で知りたいことを充分に知ることが出来ました。できれば札幌と周辺部のLRTや丘珠―羽田線の可能性についても触れて欲しかったです。札幌―小樽間の在来線は手稲駅があるから廃止できないと思います」
「タイムリーな問題で、若々しい講師で、メリハリ良く聞きやすい分かりやすい講座でした。日頃十分にこの問題に関心が持てなかったのですが、気がかりだった事も分かり本当に良かったと思っています。特に道内経済について今後関心をもって考えられると思いました」
「人口の減少により今後も赤字が増えこそすれ減ることはないのではないか。思いきって幹線のみを残して地方線は廃止してはどうかと思った。観光列車など儲ける努力も必要では(線路は固定資本なので出来るだけ使うようにしなければ)」
「解りやすい講座で交通手段としてだけではなく経済に及ぼす影響など改めて考えさせられました。函館から地方へ航空機を直接飛ばさないのはいずれ札幌まで新幹線が延びてくるのを見越しての関係者の思惑があるのでは・・などと思ってしまう私でした」
「鉄路とバスの住み分けの根本(政策)を再構築する必要を感じた。コミュニティバスその他の交通手段を有機的に組み合わせる事を検討する長期交通体系をご提案すべく先生のご活躍を期待しています」





















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