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講座12 『宗教がわかると人間と世界がわかる』

第2回 「宗教を信じる理由~救済願望」

2014/11/03

10月30日(木)花川北コミュニティセンターで主催講座12『宗教がわかると人間と世界がわかる』の第2回「宗教を信じる理由~救済願望」を行いました。講師は前回と同じ北海道大学大学院文学研究科 特任教授 宇都宮輝夫氏です。受講者は56名でした。

皆さんは宗教については、宗教の中身より、なぜあのような宗教を信じるのか不思議だと思っている人が多いと思います。
宗教を信ずる原因はその宗教ごと、また信者ごとに多種多様で一括してこうだということはできない。いろいろ個別の理由がある。しかし宗教を信じる理由が全く分からないのかといえばそうではない。ある教団をみると信者の多くは社会的特性、共通性を持っている。(階級層、職種、生活上の立場が同じ等) その社会的特性、共通性が宗教との間に深い親和性、密着する理由が見えてくる。今日はその辺の話をしたいと話され講座が始まりました。
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現代における宗教の隆盛

皆さんが知らない新宗教を取り上げてお話ししても意味がないので今日は誰でも知っている現代の新宗教についてお話ししたい。そして現代日本において新宗教がいかに巨大な社会的勢力であるかを知っていただきたい。

1)発展の軌跡―創価学会の場合―
前身は牧口常三郎と戸田城聖が設立した創価教育学会。

牧口常三郎と戸田城聖の生い立ち、略歴を紹介

牧口常三郎:1871(M4)年新潟生まれ、1897(M30)年牧口四郎治の養子に。1897(M30)年札幌師範付属小の教師になる。1928(S3)年東京都内の教員、校長として次々転任する。1930(S5)年日蓮正宗に入信、「創価教育学体系」刊行。創価教育学会を設立する。初代会長

戸田城聖:1900(M33)年石川県生まれ。1905(M38)年厚田村に移住 1920(T9)年上京 小学校教員になる。牧口常三郎と会い心服する。1928(S3)年入信する。2代目会長

学会の歩み
1930(S5)  年 「創価教育学体系」刊行。創価教育学会を設立。
1940(S15)年 会員数500名 不況と戦時下の時代背景に折伏活動開始。
1945(S20)年 治安維持法違反で牧口、戸田らが検挙される。
1950(S25) 年 創価学会と改称。
1953(S28)年 「聖教新聞」創刊。
1955(S30)年 折伏の際の暴力事件が社会問題化、宗教法人として正式に発足。
1960(S35)年 参議院に3名当選。
1971(S46)年 公明党総選挙で25名当選。
1972(S47)年 公称会員数700万世帯 現在の公称数800万世帯 実数は約200万世帯で頭打ち。
1979(S54)年 「言論出版妨害事件」。公明党と分離。国立戒壇論の放棄。
1995(H7)  年 宗門が創価学会に破門通告・「創価学会と共産党との合意についての協定」公表。

創価学会の信者数の推移
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戦後と高度成長期に信者数を伸ばしているのがわかる。共産党員25万人、自民党員78万人と比べても実質信者世帯数約200万世帯は巨大である。
こうした増大の実態は、創価学会に限らない。立正佼成会などにも言える。
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2)教勢拡大の背景
個人的であれ社会的であれ、人間が絡む現象の原因を探り当てるのは簡単ではない。とはいえ、人間の行為も社会的大量現象になると行為者の側にいくつかの顕著な共通性が浮かびあがるので原因と考えられる要素も確定しやすくなる。
創価学会躍進の原因を検討する。
地域
創価学会が教勢を伸ばした地域は太平洋沿岸ベルト地帯である。同会は都市型組織である。
職業
職種―小売販売業・技能工(単純労働職工)・サービス・自営業で70%以上
就業先規模―9人以下60%  30人以下70%
階級
革命運動の正統外と見なした未組織労働者、零細都市勤労者である。
時代状況
教勢を伸ばした時期は戦後の経済復興期と高度成長期と符合する。

3)新宗教運動の救済要求―貧―
現生利益:従来の宗教は、死後の成仏・往生を説き、死後の天国を目指すのが大勢であった。これに対して、新宗教は地上の天国を目指す。
例を示す
・戸田城聖の言葉:釈迦の仏法では、今世に及ばないのです。今世では駄目で来世に行かなければ駄目だということだ。もし仏法の解決がこれなら私は仏教信者にならない。来世なんて本当になるかならないのかわからないのだから。
・PL教団:親鸞は仏陀の本願を信じ、念仏行に徹することによって安心立命の境地をえた。だがそれは浄土に生まれるという後世の安楽を期待する信仰であった。PLの信仰は、現生の世界、今の人生をどう生きるかに関心を持つのである。現実の人生にとって死は終局である。幕が下りてからの人生は現実に無意味である。
・生長の家:この世を諦め、あの世に行って成仏しようというのではない。この世に相愛協力の地上天国を建設せんとするものである。
・世界救世教:熱海に地上天国を建設。

無学歴の教祖達
天台宗―最澄 真言宗―弘法大師などの仏教開祖 法然(浄土宗)親鸞(浄土真宗) 一遍(時宗)栄西(臨済宗)道元(曹洞宗) 日蓮(日蓮宗)彼らは皆当時一流の知識人であった。これに対して新宗教の教祖たちは総じて無学歴である。
女性の位置
・新宗教の教祖には女性が多い。大本教―出口ナオ。妙智会―宮本ミツ。立正佼成会―長沼妙佼。霊友会―小谷喜美。円応教―深田千代子。天理教―中山みき。弁天宗―大森清子など。
・教団内部での地位と比率。女性教祖でない新宗教にあっても女性の地位は高く評価され多くの女性の進出がある。
・なぜ女性か。日本社会は男性中心社会である。女性は社会的に抑圧される。信者には女性が多く,特に中下層の中高年の女性が多い。新宗教の教義は、こうした抑圧された女性の歴史を背景にしている。

天理教教祖の中山みき、立正佼成会の長沼妙佼、天照皇大神宮教の北村サヨの例をあげ、女性教祖達は、申し合せたように、常人には耐えがたい境遇に生き、発狂寸前のところまで追い込まれ、そこで初めて神の光を見出している。
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4)新宗教運動の救済要求―病―
・世界救世教―岡田茂吉は生来病弱で眼病、肋膜炎、肺結核で10年の闘病生活を送るなど、ありとあらゆる病気をした。
・霊波之光教会―教祖 波瀬善雄は幼少より病弱、中国帰還時―肋膜炎、超結核,痔ろう等。不治の病が奇跡的に癒えた体験談。
・神霊教―「切らずに治るガン」という標語で有名、「実証の奇蹟集」に癌全快、不具が治った、諦めていた子供ができた。

不治の病に侵されたとき、人は何かにすがりたいという心理になるのはごく自然な姿である。

5)新宗教運動の救済要求―争―孤独・軋轢VS連帯
人々は人間関係の不和や孤独に悩み、心を開いて悩みを相談する人もおらず、他者との温かい交流を求めている。新宗教の多くは人々のこの要求にこたえる。
・立正佼成会の法座―ほぼ毎日行われる小グループのデスカッション。
・創価学会の座談会―池田の言葉:座談会こそ学会の伝統、大発展の源泉。
・金光教― 神―教主―信者の取次によるコミュニケーションを図る。
・PLのみおしえ―PLのカウンセリングは「みおしえ」と呼ばれる。
・ほんみちのひのきしんーひのきしんと呼ばれる労働奉仕が活動の重要な要素になっている。信徒のひのきしんだけで巨大な宗教施設を建設する。
信徒の心を結集し、奉仕の精神を養い、人々の間に心の絆、連帯が生まれる。
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最後に「今日の講座は幾つかの教団の例を取ってお話ししましたが、人々はなぜ宗教に入っていくのかという一端は見えてきたのではないかと思います」と話され講座を終わりました。











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