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講座6 『不思議いっぱい!石狩川河口―河口砂嘴の地形変化を考える―』

第1回 「水際を歩いて分かったいま現在の揺れ動き」

2014/06/08

 6月4日(水)、講座6『不思議いっぱい!石狩川河口―河口砂嘴の地形変化を考える―』の第1回「水際を歩いて分かったいま現在の揺れ動き」を花川北コミュニティセンターで行いました。講師は、「いしかりガイドボランティアの会」の石川治さん、受講者は56名でした。

 石川さんは最初に「日頃ボランティアガイドをしていて来客の少なさを嘆いていますが、これは石狩には永い歴史や素晴らしい自然があることを市民のみなさんが知らないからではないか、石狩の歴史や自然についてもっとよく知って欲しい、と思い講師を引き受けました」と前置きして本日のお話を始められました。

 以下は、石狩川左岸の砂嘴(さし)の地形変動についてのお話の概要です。
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砂嘴の地形調査を始めたきっかけ
・2008年にGPSロガーをつけて「はまなすの丘公園」を歩いたら、重ね合わせた2005年グーグルマップとはかなりのずれが生じた。ひょっとしたら、これは地形が変化したのではないかと思い、それを確かめるために調査を始めた。
GPS、GPSロガーとは
GPS(全地球測位システム)
人工衛星を利用して、どこにいても自分の位置(タテ/ヨコ/タカサ)を知る事ができるシステム。
GPSロガー
GPS衛星からの電波を受信し、設定された時間ごとに位置情報と時刻を内蔵メモリに記録(ログ)する装置。
調査ルート
①水際ルート
川側、海側ともずっと水際を歩くルート。
②浜崖ルート
春と秋に浜崖の浸食状況を確認するために汀線と浜崖上を歩くルート。
調査回数
2009年 12回 (4月以降)
2010年 18回
2011年 25回
2012年 29回
2013年 30回
2014年 11回 (5月末まで)
合計  125回
調査結果と考察
1)季節的変化―毎年の変化に一定の傾向があるか?
①夏期(おおむね冬期終了時点の3月から9月頃まで)の調査結果
teiseinatu.jpg
②冬期(おおむね夏期終了時点の9月から翌年3月頃まで)の調査結果
teiseifuyu.jpg
調査結果による季節的変化の傾向は
・夏期 南東から北西へ
 川側から海側へと先端が押し出される。
・冬期 北西から南東へ
 海側から川側へと先端が押し出される。
・6月ころ先端が伸びる
 河口テラスが発達、海面上に姿を現す。
 ミニ砂嘴現象か?極めて珍しい現象で、期間限定の観光資源にできないだろうか?
terasu.jpg
④砂嘴変化の影響要因として考えられるのは
海流、潮汐、海浜流、風(波)、低気圧、川の流勢など
⑤変化要因を調べるために指標として用いたデータは
・石狩大橋観測所での水位(河口から26.6㎞)
 水位1m以上の日数を数えると、1月~3月は渇水期でなし、4月~5月は融雪増水期で多く、6月でまた下がり(注目点)、7月~9月は台風、前線による大雨の影響で上がる。
・石狩のアメダスデータにおける風速(生振)
 7m以上の北西風が吹いた日数を数えると、6月~8月はほとんどない。
de-ta.jpg
・そのほか
 潮位、波高、気圧などのデータを参考。
⑥季節変化の要因の推測
・夏期 海は静かで、川は融雪あるいは台風、前線により増水する。
・冬期 海は北西風による強い波が続き、川は渇水期。
・6月  漂砂(主に河川から供給され、沿岸域で移動する土砂)の挙動との関連が考えられる。海の北西風と川の水勢がともに穏やかなので、漂砂が堆積する局面になるのではないか。
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2)経年的変化―年を追うごとに一定の傾向があるか?
 9月(春から秋への変化の終了時点)、3月(秋から春への変化の終了時点)、6月(河口テラスが発達した時点)の5年間の砂嘴先端形状を比較した。
936.jpgのサムネール画像
比較結果
経年的変化の傾向
・2012年の春ないし夏ころまでは、年ごとに川側から海側へと押し出す傾向が見られた。
・その傾向は、2012年秋ころを境に反転する動きが見られる。
・常に一定方向へ動くことは考えられない。
・この5年間のデータでは、はっきりとした傾向はつかめていない。

3)突発的変化
①浜崖の浸食、後退(GPSロガーを持って歩くだけではなく、定点での観察も行っている)
 浜崖の浸食は2010年が最も激しかった。2012年以降は、比較的落ち着いている。また、波より小さいが風による浸食もある。
hama.jpg
②水際の一過性異形
・潮位が下がって見えてくる現象(2011,12,21、2013,9,23日観察)
 季節を問わず、高気圧に覆われた干潮時に通常は海面下に隠れて見えない地形が現れる。
cyoui.jpg
・ビーチカスプ(2012,6月、2011,10,9観察)
 砂浜の突起(海浜流の影響と思われる)
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③雪庇の張り出し
 1月~3月 石狩川左岸で雪庇がせり出す(小高くなっている堤防から吹き下ろす北西風が主な成因と思われる)2014年2月24日には60mも張り出していた。
yuki.jpg
④春の風物詩
 4月以降、融雪の進行により大量の木屑、枯葉が波打ち際に堆積し、数週間で消滅する。
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 本日のお話は、以上のような内容でしたが、砂嘴の地形が、川と海との影響で1年を通して変化しているとは驚きでした。また、浜崖の浸食についてのお話も大変参考になりました。ぜひこれからも調査を続けて頂き、経年変化の傾向など新しい情報が得られたら教えて頂きたいと思います。ただ、冬場の雪庇歩きには充分お気をつけて下さい。また、河口テラスの事は、多くの人に知って欲しいものです。

 石川さん、大変興味深いお話を聞かせて頂き、ありがとうございました。




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