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講座11 『和本の世界から仮名文字を楽しもう~読んで広がる江戸・明治の世界~』

第2回 「和本の読みに挑戦しよう」

2014/01/31

 1月30日(木)講座11『和本の世界から仮名文字を楽しもう~読んで広がる江戸・明治の世界~』の第2回「和本の読みに挑戦しよう」を花川北コミュニティセンターで行いました。講師は、北海道教育大学札幌校教授の吉見孝夫さん、受講者は30名でした。

 お話の前に、実際の和本(江戸時代の文法書)と受講者の奥さまが和紙を綴じて作られたと云う和本が回覧されました。
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 最初に、戦前の本はカタカナで書かれた物が多いのではないか、と云う前回の質問に「平仮名が曲線的で難しいのに対して、カタカナは直線的で易しく、書きやすく、覚えやすいので、子供向けの本などで使われることが多かったのです。また、カタカナ交じりの漢文訓読体で書かれたものに法律関係の本などがあります。しかし、今はほとんど平仮名と漢字で書かれていて、カタカナは外来語くらいにしか使われないので、戦前のカタカナの本が特に目立つのでしょう」と答えられました。
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 それから、前回の宿題だった読本を皆で順に読んでいきました。
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 第四十四課 蟻恩を報ず
鳩あり。水中に蟻のおちたるを見て、これをあはれみ、木の葉をふくみてそのほとりにおとしければ、蟻はこれにはひ上がりて岸につきぬ。折りしも一人の村人きたり。ひそかに網をはりて、この鳩をとらんとせしかば、蟻は安からぬことに思ひ、村人の足をいたくさしぬ。その人驚きて身を動かしければ、張りたる網地に落ちて鳩はまぬがれたりとぞ。おのれ人に善をすれば、人もまた我に善をするものなり。

 続けて、「農夫の遺訓」「第5―狼少年の話」を読み、新たにいくつかの仮名を覚えました。
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 ここまで読んだところで吉見さんは「今度は第六をそれぞれで読んでみて下さい」と指示されました。
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 そして、個々の疑問に答えながら、受講者の間を廻られました。
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 最後にもう一度、第六を皆で読んで、読みの講習は終了。

 読み残したもう一つの資料「西洋昔噺」八ツ山羊については、後で自分で読めるように、現代文に訳した資料が配られました。

 吉見さんは「今回の講座はこれで終了しますが、皆さんにはこれからもご自分で勉強して頂きたいと思います。そこで、その為の情報をお伝えしておきます」と云って、和本が読めるインターネット上のサイトの紹介やどのような方法で勉強したら良いかなどについて説明されました。

和本が読めるインターネット・サイト
・国立国会図書館サーチ

主なデジタル化されたコレクション
・国立国会図書館デジタル化資料
・国文学研究資料館所蔵古書・マイクロ/デジタル目録データベース
・国文学研究資料館近代書誌・近代画像データベース
・国文学研究資料館新奈良絵本データベース
・東京大学、京都大学、東北大学、早稲田大学などのデジタルコレクションやデータベース

勉強するためのツール
①仮名字体表
今回の添付表で充分とのこと
②漢字くずし字辞典

オススメの方法
1.興味のある昔の本を見つける
2.見つけた本の正確な翻字を手に入れる
 原本と対照しながら読む事が出来る
3.正確な翻字がなくても本文を活字化した物(注釈書など)があれば良い
4.適当な昔の本が見つからない場合のオススメ本
 渡部温『通俗伊蘇普物語』国立国会図書館デジタル化資料から閲覧、プリントアウトできる
 翻字は東洋文庫『通俗伊蘇普物語』(平凡社)

参考文献
・和本について
 藤井隆「日本古典書誌学総説」(和泉書院)
 中野三敏「書誌学談義 江戸の板本」(岩波書店)
 中野三敏「和本のすすめ~江戸を読み解くために」(岩波新書)
・仮名を読む練習のためには
 中野三敏「古文書入門 くずし字で『百人一首』を楽しむ」(角川学芸出版)
 中野三敏「古文書入門 くずし字で『おくのほそ道』を楽しむ」(角川学芸出版)
 中野三敏「古文書入門 くずし字で『東海道中膝栗毛』を楽しむ」(角川学芸出版)

 吉見さんは、このように和本を学ぶための手引きを詳しく教えて下さった上に、さらにもし疑問があったらいつでも問い合わせて下さい、とメールアドレスまで教えて下さいました。
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 最後に、質問に答える形で、いくつか説明がありました。

 仮名には、「は」のように同じ字なのにいくつかの書き方があり、それがきちんと使い分けられていたかと云うと、資料によっては言葉の前に来る時と後の時で使い分けている場合もあるが、一般的には使い分けの規則はなかった。

 女手、男手と云うが、仮名は必ずしも女性だけが使うものではなかった。 

 こんにちでは不思議に思われる「けふ」と云う書き方は、もともと「けう」と発音していた。「けう」はkeuと母音が二つ続き、鎌倉時代になるとeuが「よう」と発音されるようになり、こんにちの発音の「きょう」となった。

 これで本日の講座は終了しました。今回は講座回数が足りずに江戸期のものは読む事が出来ませんでしたが、明治期の読本を詳しい説明を受けながら読み、また、これからの勉強の仕方も教えて頂いて、たいへん参考になる、知的好奇心を満たす講座でした。

 受講者からも
「まったく読めなかった古い仮名文字が少し読めるようになって嬉しい。これからも勉強してみたい」
「分かりやすくてよかったです。また、開講してほしいです」
「講座を受けることによって、勉強をしたり、本を読んりするのでとても有意義にすごせる」
「仮名文字は読みにくく覚えるのが大変です。少し読めるようになると大変楽しかったです。続けて勉強したいなあと?」
「とても楽しい講座でした。又続けて欲しいです」
「学生時代に戻った様な思いで参加させて頂きました。楽しく、得をした気分です。ありがとうございました」
「大変興味深く参考になりました。独学もできるのでしょうが、時折このような講座を開いて頂けるとありがたいです」
「先生の親切な講義、ありがとうございました。八ツ山羊で勉強しますが和本への入口ができたことを感謝します」
「復刻本の全集を持ちながら長い間手に出来なかったので、これを機会に挑戦しようと思います。ありがとうございました」

等などたくさんのコメントが寄せられ、皆さんたっぷり楽しみながら受講されたようです。
 

 



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