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講座8≪プロフェッサーコース≫『身近な環境を考える』

第1回「地球温暖化とクリーンエネルギー」

2011/01/23

  1月22日(土)講座8≪プロフェッサーコース≫『身近な環境を考える』の第1回「地球温暖化とクリーンエネルギー」が市民図書館視聴覚室で行われました。講師は北大名誉教授の徳田昌生さん。受講者は27名でした。

812.JPG この講座は5回シリーズで、講座全体をコーディネイトされた徳田さんは先ずその5回の流れを説明、次に、ご自身で担当される第1回と第4回の概要について話をされてから、今日の講座を始められました。

1.低炭素社会/再生可能エネルギー/地球温暖化
 近年の人間活動は、主に炭素(C)や水素(H)からできている化石燃料(天然ガス、石油、石炭)を燃やしてエネルギーを得ているが、その時に炭素が酸素と結合して、必ず二酸化酸素が発生する。2009年現在、世界の平均的な大気中CO2濃度は約387ppmで、産業革命以前の大気中CO2濃度は約280ppmだったと言われている。また、国別の排出量は、2005年はアメリカが1位であるが、2008年には中国が1位(22%)となっている(日本は4%)しかし、国民一人当たりの排出量では、依然アメリカが1位であり、中国はまだ低い。

804.JPG また、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第4次報告書によると、人間活動に由来する温室効果ガス(CO2,CH4,N2Oなど)の大気中の濃度を490~535ppmのレベルで安定化させれば(現在の温室効果ガス濃度:約430ppm)将来の温暖化を「2℃程度」に抑えることが可能であるが、そのためには、温室効果ガスの年間排出量を2050年までに2000年から半滅させなければならない。
日本では、2050年までに温室効果ガス排出を1990年の70%にすることは可能であるが、それには2050年におけるGDP(国内総生産量)の1%程度のコストが必要となる。

 温室効果ガスに関するこのような情報がある中で、もし、二酸化炭素(CO2)の増加が温暖化の原因であると仮定するなら「二酸化炭素を回収・貯留」するか「再生可能エネルギーを利用する」かして低炭素社会を実現させなければならない。特に、再生可能エネルギーの利用は、資源的に限りある化石燃料を使わなくても済むという点でも利点がある。

 徳田さんは、ここで一区切りして、質問を受ける時間を設けられました。

 質問「クリーンエネルギーとはどういうものですか」―化石燃料などのように排出物により地球環境を汚染することのない太陽、地熱、風力、波力などのエネルギーのことです。

 質問「二酸化炭素が温暖化の原因であるという仮定は正しいのか」―このあとで、この仮定が正しくないとする説もあることをお話します。

807.JPG2.二酸化炭素の削減について

 二酸化炭素を削減する技術としてCCS技術があり、集中発生源からCO2を回収、輸送、貯蔵する技術である。回収技術は肥料生産工場などで、地中貯留は石油掘削や天然ガスの地下貯蔵などですでに使われている技術を応用できる実用的な技術。世界全体での貯留可能量は少なくとも2兆トン(世界の排出量の約100年分)と試算されており、適切に管理された地中貯留保持率は、1000年で99%以上である。

 日本でも、どこに、いつ頃、どの程度のCO2貯留を行うのが費用効果的なのかが研究されている。

3.地球温暖化について

 地球の気候変動を調査する機関としてIPCC(前述)があり、世界中の科学者が報告した気象変動に関する研究成果をとりまとめるために1988年に設立された組織である。

 IPCC第4次報告書のまとめでは

・過去100年(1906~2005年)で世界の平均気温は0.74℃上昇、最近50年間では過去100年のほぼ2倍となっている。
・20世紀を通じた海面水位上昇量は0.17mとなっている。
・気候システムに温暖化が起こっていると断定、人為的な温室効果ガスの増加がその原因とほぼ断定している。

 それに対して、徳田さんは、平均気温や海面水位についての状況を具体的に説明されましたが、南極の海面水位は変わっていないなど第4次報告書に合致しないデータがあることにも言及されました。

 地球温暖化の原因(1)について

 温室効果を考えないと、地球の温度は-18℃と計算され氷の惑星となってしまうが、温室効果があるため約14℃近くまで温められる。どうして温室効果があるかというと、CO2などの温室効果ガスは赤外線(電磁波)を吸収し、電磁波はCO2分子を振動させて熱が発生するから。

 IPCC第4次報告によると

・現在の二酸化炭素及びメタンの大気中濃度は過去65万年間の自然変動の範囲をはるかに超えている。
・温室効果ガスの増加は、化石燃料の使用や農業及び土地利用の変化など人間活動による排出が主な原因。
・1750年以降の人間活動(温室効果ガス、エアロゾル、対流圏オゾン、ハロカーボン類などの変化)が温暖化効果をもたらした。
・二酸化炭素による放射強制力は1995年から2005年にかけて20%増加。これは、過去200年間のあらゆる10年間における最大の変化。

 地球温暖化の原因(2)

 地球誕生から現在まで、気候は変動しており、過去65万年の間に5回ほど氷期と間氷期を順番に繰り返していて、現在はその温度上昇期にあたるとする。

 一方、温暖化論への反論の紹介もされました

 温暖化論への疑問(1)

・人間の社会活動で出すCO2と温暖化の因果関係には科学的根拠がない。
・地球の気温は絶えず昇降を繰り返し太陽活動と深く関連している。
・NASAによる高度4,000mの気温測定によると、温暖化の兆候はなく最近1年半ではむしろ寒冷化の傾向をしめしている。

 温暖化論への疑問(2)

・氷河の縮小、後退が温暖化現象とされているが、氷河の後退は1800年頃から現在まで進行しておりCO2が急増し出した1946年頃からほとんど 同じスピードで後退している。
・南極海の海氷は発達している。
・北極海の海氷も、2007~2009年は拡大している。
・IPCC報告には、専門性のないデータの採用や記載年の誤りなどもみられる。

 このように地球温暖化論への反論も紹介されて、かといって温暖化論は間違いだとの厳密な科学的根拠もないことから、温暖化に対処しておく必要はあるのではないか、というのが徳田さんの結論でした。

4.再生可能エネルギーについての概論

 再生可能エネルギーとは:枯渇しない、CO2排出などの環境負荷が少なく、永続的な(フロー型)エネルギー源。具体的には「太陽光発電」「風力発電」「バイオマス発電・廃棄物発電」「太陽熱発電」「バイオマス熱利用・廃棄物熱利用」「水力発電」「地熱発電」「海洋温度差発電」「波力発電」「潮汐発電」「潮流発電」

 日本のエネルギー自給率は4%で、そのうち再生可能エネルギーの割合は2005年で5%である。

805.JPG5.バイオ燃料の技術開発と利用

 徳田さんは「種々の再生可能エネルギーについては、次回お話しますが、バイオ燃料の技術開発と利用についてだけは今回お話します」と言われ、バイオ燃料について話をされました。

 代表的な輸送用バイオ燃料
・バイオエタノール
 農作物(サトウキビ、トウモロコシ等)やセルロース系バイオマス(木材、古紙等)などの植物由来の多糖から作られるアルコール(C2H5OH)ガソリン代替利用または混合利用ができる。
・バイオディーゼル燃料(BDF)
 廃食用油等の植物性油脂をメチルエステル化して得られる液体燃料。軽油代替利用または混合利用ができる。

 バイオエタノール利用の問題点
 その生産が拡大すると、原料のトウモロコシやサトウキビが不足して飼料の高騰を招き乳製品の価格にも影響を与える恐れがあり、他の農作物の作付の減少を招く恐れもある。

 バイオ燃料生産量(2008年)が多いのは、アメリカやブラジル。

 フード・マイレージについて

 輸入された食糧の重さと輸送距離を掛け合わされたものをフード・マイレージという。この値が大きいほど、より多くの食料がより遠くから運ばれ、結果的により多くのCO2を出していると考えられる。日本は、韓国やアメリカの3倍になっている。

 セルロース系エタノール(食用以外の原料を利用)
 食料問題を回避するため、間伐材、建築廃材、サトウキビの絞りかす、藁、藻類、雑草など食用にならないバイオマスからバイオエタノールを生産するもの(次世代バイオ燃料)これは、エネルギー収支も良く(投入量1:生産量2~36)温室効果ガスの排出量も少ない(ガソリン2.44㎏/㍑:セルロース系エタノール0.22㎏/㍑)

 徳田さんは、最後に、地球温暖化が二酸化炭素の増加によるものかどうかははっきりしないが、それでも化石燃料の使用料を減らしていく必要はある、と結ばれました。

 時間がやや足りなかったきらいはありましたが、現段階での、地球温暖化についてのいろいろな考え方やそれに対して今あるいはこれからしなければならないことを教えて頂いた講座でした。

 受講生からも

「地球温暖化が、CO2が原因でないとする研究についても紹介されていて良かったと思います。その上でもCO2排出を減らそうという取り組みの大切さを知りました。ありがとうございました」

「札幌市内では得られない講義であったと思います。石狩市外の学習グループにも知らせたいものと感じました」

「難しいエネルギーの事をとても解りやすく話して下さいました。色々なデータから読んでいく地球温暖化の話そして60万年40万年というスケールでのお話、とても面白かったです」

「温暖化の原因が炭酸ガスといわれているが、本当にそうか少し疑問を持っていた。先生の解説によりその点がはっきり理解できてよかった」

「両論をあげてお話があり、大変良かったと思う。質問者も良い視点から質問されており、良い講座であると思いました」

「大変参考になりました。わかりやすい講義内容でした」

「人間活動による温暖化が原因であれば私たちの努力によって防ぐことが出来る可能性がありますが、そうでない場合は防ぐ方法はあるのだろうか」

 等のコメントが寄せられました。

 

 

 

 




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