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主催講座10「石狩の農業はどう変わってきたか」

第1回「生振地区の農業のあゆみと石狩市農業の新しい取り組み」

2017/09/22

9月19日(火)、主催講座10「石狩の農業はどう変わってきたか」の第1回「生振地区の農業のあゆみと石狩市農業の新しい取り組み」を花川北コミュニティセンターで行いました。講師は、生振在住で愛知県団体入植者の4代目、元石狩野菜振興協議会会長の吉田隆義さん、受講者は39名でした。

以下は、講座の概要ですが、未来へ向けて、お話は農業法人の事から始まりました。
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◇生振地区の農業生産法人について
生振地区では、昭和40年代に農業生産法人が5団体設立されたが、そのほとんどは家族経営体を継承したもので、その後2団体となった。
農業者の高齢化か進み、後継者など担い手不足が課題となっている近年、小麦の収穫を共同で行い作業の効率化を図ろうと「アグリサポートファースト」と云う組合が出来た。さらにアグリサポートファーストの構成員は、JAいしかりとJA北海道中央会の協力のもと、平成27年2月に「小麦の生産から始めよう」との構成員合意をし、3月31日に石狩市初の集落型農業生産法人「株式会社 アース1」を設立した。
設立出来たのは
①集落の小麦生産者が集落の担い手であった②40代の担い手が複数名いた③牽引する地域リーダーがいた、ことによる

◇愛知県からの移住
明治24年愛知県で起きた大地震(濃尾大地震)で再起困難な大被害を受けた住民は、移住を余儀なくされ、団長として長江常三郎、上村龍三郎、吉田甚九郎、梅本勝次が先頭となり愛知県団体を結成して石狩国石狩郡生振村に入植することになった。
明治27年4月、愛知県下16町村から56戸320人が入地し、84万坪の開墾に従事することになった。
今も残る入植当時の家(縄でしっかり縛った合掌つくりになっている)
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入植地
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◇生振地区の農業の歩み
1)地形と地質
河岸を除く中央地帯は沖積層で地区の中央部は古い砂丘として主に砂土からなり段丘を形成。段丘の中間から低地にかけての低湿地には、低位泥炭が分布。
砂地のところは、上段、地質が悪く茨戸川に囲まれているところは、下段(しただん)と呼ばれた。
下段では、水田を作付けしていたが、3年に一度は水害に見舞われ収入源は乏しかった。しかし、水田を継続しながら沖積土地での良質な草を利用した農耕馬生産にも力を入れ、伝統的に良馬産地を形成、貴重な財形資源となった。
2)石狩川直線化
大正7年、石狩川治水事務所生振事業所が設置されて生振新水路掘削工事が始まり、昭和6年新水路が通水して生振村は中生振地区と北生振地区に分断された。
3)生振地区の農業の変遷
・昭和25年、石狩花畔土地改良区に加入、昭和26年には揚水機を施設して、それまでのカボチャ、バレイショ、エンバク、小麦、ナタネなどの畑作から転換して造田を図った
・昭和30年頃から米作が本格化し、労働力の担い手が不足したので、青森県、秋田県、岩手県などから労働者を募集し、昭和36年154人、昭和37年148名、昭和39年106名を受け入れた。生振地区の水田は、502町歩まで広がった
・昭和45年、米の生産過剰により、生産調整が実施された
・昭和46年、生振の農家は米作をやめ、札幌方面に出稼ぎに出て、水田は牧草に変わり、牧草はサツラク農協に委託した
・昭和52年、牧草委託をやめ、昭和53年に牧草組合を設立、約300㏊の牧草を生産した、牧草以外にもカボチャ、バレイショ、小豆、スイートコーン、長芋、ゴボウなど畑作物を作付けした
・昭和50年、六川正輝氏が夏大根に取り組み、3年の年月をかけ北海道で初めて夏大根の作付けに成功した。夏大根は、共選場を設置、ピーク時80㏊まで作付けされ、1箱4,000円と高値で販売された
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・その後、大根の連作障害が発生、中出廸夫氏がブロッコリー生産に挑戦し、その後六川清春氏と小島国雄氏も加わり3年後に成功した
・現在では、後継者がいなくなり(生振小学校生徒3人)、高齢化、過疎化が進んでいる
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◇種馬事業
農耕に不可欠な馬匹は、生振農業にとって、農産収入であり貴重な財形資源でもあった。
戦時中も馬産に意欲を注ぐ有志により「生振畜産改良会」が結成されていたが、昭和23年の農業協同組合設立を機に組合事業として種馬事業に取り組むことになった。組合の種馬事業は、昭和24年、系統の生産連から借り受けた「通健号」により開始、さらに吉田万太郎から「第二王驊号」を購入、また五線橋本健太郎氏が耕作していた町有地二町二反五畝を取得して事業施設を設けた。種付料は、昭和26年で2,500円。その後、農業機械導入の始まりや水田単作の営農体質の変化により、組合事業としての種馬事業は廃止され小本三郎氏に委託された。
馬産の歴史の中で、昭和18年に梅本鶴松氏所有の種馬が全道共進会・農林大臣賞を受賞、昭和31年の第7回全道種馬共進会で後藤定二氏所有の「第一宝号」が最高位(農林大臣賞)に輝いた。
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◇「新たなブランド化事業」石狩市農業総合支援センター
平成22年、「新たなブランド化事業」として、試験圃場(面積2,082㎡)を設置。平成25年、試験圃場はベジタブルファクトリー裏に移転。
新たなブランド化に向けて、様々な品目(品種)を栽培し、その可能性について試験栽培や品種比較試験などを実施している。農協単独の試験圃場設置は他にほとんど例を見ない。

◇JAいしかり直売所「地場市場とれのさと」
消費者にクリーンな農産物を提供することにより農業の大切さを知ってもらうことを目的とする。運営方針は「食と農を通じた地域の交流拠点としての役割を果たす」こと。また、消費者目線に立つ事はもちろん、高齢農業者が消費者と直接コミュニケーションできる「生きがいの場」ともなっている。
・沿革
平成8年、有志数名により直売所としてオープン
平成15年、運営主体をJAに移行
平成23年、店舗リニューアルオープン
平成28年~、冬期間の営業開始、通年営業となる
平成28年売上307,773千円。
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◇米麦乾燥調製施設
農業生産体質強化推進対策事業として、平成2年に設置。米と麦の両方を乾燥できる施設は道内他地区にはない。厚田区、浜益区の農家も利用している。

◇個別農産物状況(年間出荷数量、年間取扱額とも平成16年度)
1)米
年間出荷数量:3,015,780㎏ 年間取扱額:491,141千円
品種:ほしのゆめ、ななつぼし、あやひめ、きらら397は耐アレルギー品種として長く続いている。
2)麦
年間出荷数量:2,794,900㎏ 年間取扱額:411,805千円
品種:ホクシン(秋)、ホロシリ(秋)、春よ恋(春)
3)G・アスパラ
年間出荷数量:113,530束 年間取扱額:17,718千円
4)サヤエンドウ
年間出荷数量:77,608㎏ 年間取扱額:144,460千円
5)人参
年間出荷数量:3,036,328㎏ 年間取扱額:299,600千円
品種:向陽2号、ベータリッチ、ライム
6)馬鈴薯
年間出荷数量:2,174,599㎏ 年間取扱額:154,487千円
品種:男爵、キタアカリ、メークイン
7)ブロッコリー
年間出荷数量:623,584玉 年間取扱額:44,169千円
8)大根
年間出荷数量:3,154,893㎏ 年間取扱額:275,284千円
品種:晩抽喜太一、貴宮、夏北海、かつみ、耐病総太り(秋)
9)タマネギ
年間出荷数量:184,534㎏ 年間取扱額:12,876千円
10)長いも
年間出荷数量:65,470㎏ 年間取扱額:10,477千円
11)ゴボウ
年間出荷数量:131,758㎏ 年間取扱額:15,247千円
12)ほうれん草
年間出荷数量:13,837㎏ 年間取扱額:7,687千円
13)パセリ(30年前から栽培)
年間出荷数量:6,382㎏ 年間取扱額:6,587千円
14)スイートコーン
年間出荷数量:67,706㎏ 年間取扱額:9,897千円
15)キャベツ
年間出荷数量:172,848㎏ 年間取扱数量:15,103千円
16)白菜
年間出荷数量:64,538㎏ 年間取扱額:4,406千円
17)メロン
年間出荷数量:74,852㎏ 年間取扱額:18,714千円
品種:いちひめ、キングルビー
18)南瓜
年間出荷数量:246,087㎏ 年間取扱額:25,356千円
品種:Mセブン

※出荷額の多い農産物
米4億9千万円、麦4億1千万円、人参2億9千万円、大根2億7千万円、馬鈴薯1億5千万円、サヤエンドウ1億4千万円
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以上が本日のお話の概要で生振の農業の歴史や状況が良く分かりましたが、吉田さんが再三口にされたのは、高齢化と云う言葉で、その深刻さが窺えました。

最後に受講者からのコメントをいくつかご紹介します。
「生振発展の歴史から現状や今の実情をお話し頂き、イメージがわきました。水害の連続、先人の大変な苦労の上に今の豊かな農地が広がっていると感慨深いものです。後継者問題、嫁不足の悩みなどあると思います。札幌のすぐ隣の恵まれた地です。ふるさと感一杯の生振食糧基地を大事にできるよう応援していきたいと思っています」
「石狩農業の発展のご苦労がとても良く分かりました。立派なテキストもありがとうございました。石狩は水産業の方は目立っておりましたが、農業の歩みと農産物もスッキリと理解できました」
「開拓者の苦労と国の農業政策の変遷で苦労された事を知りました。全国的に若い人を呼び込む施策を実行されては如何でしょうか。又、市民農園とかドイツのクラインガルデン的な別荘付貸付農地とか検討されてみては如何でしょうか」
「石狩市は漁業の街と思っていましたが、本日の講話を聞き農業にも力をつくしている事を良く知り有意義でした」
「主に生振地区農業の苦労について知り得て参考になりました。ダイコン生産が生振から始まったとは知りませんでした。新篠津まで続く区画線が生振から始まるとは驚きです」
「資料は良く作成されていてよかった。説明は素朴であったが理解は出来ました。生振の農業後継者問題は厳しい現状にあり、このまま衰退させてしまうのを防いでいかねばならないのではないか。もっと真剣に対策を立て、取り組むべき」
「常日頃より食している米、小麦、野菜等のこと、愛知県より入植されてからの御苦労等タンタンと話されとても参考になりありがたかった。感謝!ありがとうございます!」







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