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主催講座13 「石狩の漁業~今、石狩でどんな魚介類が獲れるの?種類と漁獲量の移り変わり~」

第1回 「石狩川の漁業」

2016/11/12

11月8日(火)、主催講座13「石狩の漁業~今、石狩でどんな魚介類が獲れるの?種類と漁獲量の移り変わり~」の第1回「石狩川の漁業」を花川北コミュニティセンターで行いました。講師は、北海道立総合研究機構さけ・ます内水面水産試験場 内水面資源部 研究主幹の中島美由紀さん、受講者は42名でした。

中島さんは今日のお話の舞台である石狩川水系の説明から始められました。以下はお話の概要です。
 
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◇石狩川水系
石狩川は、流域面積14,330K㎡(全国2位)、長さ268㎞(全国3位)、流域に46市町村・約312万人が住む日本を代表する大きな川である。

◇内水面(河川湖沼)の漁業
1.内水面漁業とは
1)漁業法による区分で、沿岸線を境界として内側が内水面(河川・湖沼、淡水・汽水)、外側が海面(外水面、海洋、海水)
2)道内の内水面漁業の主産地
日本海南部⇒石狩川や尻別川など、道北⇒天塩川など、道東・オホーツク⇒能取湖、網走湖、阿寒湖など主に湖沼
3)内水面漁業の種類
①内水面共同漁業―漁業権漁業(知事免許)、大型漁具、漁協、増殖義務、遊漁規則、下流域のシジミ、ワカサギ、ヤツメ、支笏湖ヒメマスなど
②内水面区画漁業―漁業権漁業(知事免許)、区域内養殖、個人や小規模団体、増殖義務、遊漁規則、桂沢湖・袋達布沼のワカサギ
③内水面採捕許可漁業―知事許可、漁具制限、岩見沢市・新篠津村の農業水路のドジョウ、ヤツメ
4)内水面漁業で漁獲される主な魚介類
・淡水
湖沼―ヒメマス、コイ、ドジョウ(水田)
河川―カワヤツメ、アユ
・淡水、汽水、(海水)
イトウ、ニジマス、ワカサギ
・汽水
シジミ、シラウオ
5)石狩川の内水面漁業
1)漁獲量の推移
・石狩川の漁獲量推移
全体で最も多い時は、昭和63年280トン、平成9年310トンなどだが、ここ10年は減少傾向で平成27年は100トン。
・石狩川の魚種別漁獲量の推移
全期間で、1位はワカサギ。2位は昭和51年(40年前)では下流のヤツメウナギだが平成27年では上流の支笏湖ヒメマス(チップ)
・石狩川の年間50トン以下の魚種別漁獲量
全期間で、元大関イトヨ、現大関ヒメマス、元関脇シジミ、現関脇モクズカニ、スジエビ、小結シラウオ
2)魚種
①内水面の漁業生物は生活タイプにより3種に分けられる
・川で産卵し海で成長するもの(遡河性回遊)―サケ、サクラマス、イトヨ、ウグイ。本来は回遊型だが地理条件で淡水のみに生息(陸封型)するヒメマス(ベニザケ)もこのタイプに含まれる。
・海で産卵し川で成長するもの(降海性回遊)―モクズカニ、ウナギ
・川で生活・産卵し一時的に海で成長するもの(両側回遊)―アユ、カジカ類
※石狩川の漁業生物の生息には川と海の両方が必要―川だけでなく海の生息環境も大事!
②魚種
・ワカサギ
石狩川下流域、漁獲量で横綱だが、年間10~250トンと変動が激しい。
形態 体長は成魚で10cm
分布 自然分布する湖や川は海とつながる
生態 春水温6℃の頃に河川の浅瀬に遡上し産卵するが、一部は海に降りて成長する。水温・塩分変動や濁りに強い
寿命 1~2年(本州では1年) 
北海道から神奈川・山梨県淡水湖に卵で移植。腹びれは背びれより前の位置。 
ワカサギに似た魚としてチカ、イシカリワカサギがある。
チカ―海産、汽水で産卵、寿命4年、腹びれが背びれより後ろ
イシカリワカサギ―北海道限定(石狩、古川)、海に降りず汽水~淡水に生息、体表が暗赤色、腹びれと背びれが同じ位置だが、外見では区別しにくい
・ヤツメウナギ(カワヤツメ)
形態 幼生と成魚で形態が違う。成魚は体長35㎝
分布 朝鮮半島東北部~沿海~シベリア・アラスカ、茨木県島根県以北の河川
生態 河川に遡上し春に産卵。アンモシーテス幼生で3年くらい河川で過ごす(泥中の有機物を食) 成魚は海洋でサケ・マスなどに吸血。海洋生活期間は不明。
小型のスナヤツメと云う種もある。
・イトヨ
新潟県の食文化となっており、石狩川下流域の産物は本州へ。
形態 成魚全長10㎝
分布 亜寒帯 地域によっては絶滅危惧種群
生態 オスが営巣し受精卵保護 陸封型、降海型
寿命 1~2年
・シジミ(ヤマトシジミ)
下流・河口に漁場。河川改修などで資源が減少。他水域から移植(平成のはじめから15年頃まで年間10トン)移植を休止した後は漁獲なし。
形態 殻長1.5㎝で成熟
分布 サハリン~九州 朝鮮半島
生態 水温・塩分変動に強い 水温10℃以下では成長しない 雌雄異体 7月に水温25℃塩分0.5%で産卵(北海道では問題)
寿命 10年以上 北海道の漁獲サイズ2.5㎝は8年齢?
・スジエビ
形態 体長オス35mm メス50mm7条の黒褐色帯模様
分布 淡水性 国内に広く生息 まれに汽水域に出現
繁殖 春~秋 
寿命 2~3年
石狩川全域、美味だが寄生虫がいて生食不可。
・モクズカニ
形態 甲長10㎝
分布 サハリン~北海道~本州~台湾
生態 汽水域で産卵 幼生は海中で浮遊 着底後変態し遡上 川の上流で成長 3年以上
資源保護のため、漁獲時期の制限や甲長6㎝未満を再放流
北海道で自家消費、本州へ高値で取引
遡上する時、ダムなどの障害物があっても縄梯子を垂らしておけばよじ登るので魚道が安価に設置できる(お金をかけないで資源を保護できる方法もある)
・チップ(ヒメマス)
淡水で産卵し海洋で成長するのがベニザケ、淡水で一生を終える陸封型がヒメマス
分布 北太平洋岸の冷水域(上限13℃) 国内は、阿寒湖・チミケップ湖原産で、明治期から各地に移植・人口増殖
動物プランクトンを主食
寿命は3~5年 支笏湖で遊漁人気(釣漁期6月)
・シラウオ
小さな高級魚
形態 成魚で体長8~9㎝
分布 サハリン~朝鮮半島 日本 海跡湖 河口域 
網走湖・厚岸湖・石狩川・天塩川
秋漁(親魚)は加工、春漁(幼魚)は茨戸川、真勲別川   
生態 春に沿岸の浅瀬で産卵 河川内の潮汐が及ぶ水域まで遡上して成長
寿命 1年
3)資源維持の3要素
内水面水産資源を増やすには、増殖、資源管理、生息環境保全の3要素を踏まえた取り組みが必要。また、遊漁についても管理が必要。

3.内水面漁業 もう一つの顔
多面的機能(漁場以外の機能)
平成26年6月に成立した内水面漁業の振興に関する法律では、内水面漁業・養殖業の生産力を発展させるために、国民生活の安定向上や自然環境保全への寄与を目的とする、としている。また、内水面漁業の水産物供給の機能の他に多面的機能(レクリエーション・水辺に親しむ⇒遊漁、伝統文化の創造と継承⇒地域食文化)を発揮させること、としている。
・遊漁例1―ヒメマス
漁協に入る遊漁収入で人工孵化・稚魚放流が行われ、その効果で出漁数が増加すると云う良い循環ができている。18万尾放流し8~10万の釣獲があり放流効果大⇒稚児放流が資源を支えている。
・遊漁例2―ワカサギ
券売収入が、網走湖11,850(千円)しのつ湖7,603(千円)朱鞠内湖6,683(千円)と、冬期の地域観光で利用者数を堅持。遊漁は漁業とは別の経済効果を地域にもたらしている。
 
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4.内水面漁業の特徴
・水域(漁業権)
沿岸の河川湖沼域、内陸湖沼、地域特産品となることが多い。
・専業従事者少(内陸は農業や観光業、沿岸は海面との兼業が多い)
対象者少なく、地域波及効果や他の産業との連携を考える必要がある。
・省力型漁業(漁労コスト安価)
設備投資の負担が少ない。高齢者向き。
・平均単価(円/㎏)安定
シジミ700円、ワカサギ400円、平均653円と維持安定している。
・対象種(国内共通種と北方性魚種)
シジミ、ワカサギ、シシャモ、ヒメマス他サケ科魚類等。

◇石狩川の内水面漁業まとめ
1)内水面漁業
北海道内水面魚介類の漁獲量が1,500トン、生産額10億円に対して、石狩の漁獲量100トン、生産額3,500万円(H27年)
種苗の放流効果はある。
2)遊漁(レクリエーション、観光振興)
漁業と異なる地域経済に寄与。
3)国内冷水性魚類の種苗(卵・稚魚)供給基地である
他県は追随不可⇔豊富な水量。例)支笏湖のヒメマス卵
※内水面漁業は、漁業だけでなく地域経済・文化に様々な寄与効果がある。

◇最後に、石狩川で考えたいこと
〇遊漁料について市民の理解を望みたい
ワカサギ卵の放流は、石狩湾漁協は継続予定だが江別漁協はH27年で解散。
・魚の資源はわいてこない
・今の釣りや漁獲は次世代を生む親魚をとること
〇ヤツメ資源の復活を望みたい
ヤツメ漁のドウは素晴らしい漁具。ヤツメは栄養価も高い。

以上が本日のお話の概要ですが、中島さんの気さくなお話し方に時に笑い声も起こり、受講者は大変リラックスして聴くことができたようです。
コメントも多数寄せられましたので、その一部をご紹介します。
「知識が豊富になりました。ありがとうございます。魚種の説明が大変分かりやすかった。漁業と云う物を広い視野で考えられる一歩となりました」
「川や湖沼などの身近なところにいる魚やカニの話で面白かった。子供の頃に川で遊んで釣ったり獲ったりしたことを思い出した」
「石狩川水系の水産資源についての話は初めて聞きました。非常に興味深く面白い話でした。ありがとうございました」
「楽しい時間でした。石狩の魚アラカルト、生活に密着した知識を得ることが出来た気がします。研究者のお話ながら語りが気さくなので親しみをもって面白く聞けた講座でした。資料も分かりやすかったです」
「魚の寿命があまりに短いのに驚きました。私たちの気づかない所で資源保護の為の研究をされているのですね。日頃あまり考えることがなかった問題でした。資料を大切にします」
「資料をカラーで配布されて大変嬉しく思います。昔、ウグイのさしみ、どじょうなべ、ヤツメウナギを食べたことや4月に兄などに釣りのため雪を掘りながらドジョウを獲らされたことを思い楽しく講義を聞かせて頂きました。本当にありがとうございました」












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