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主催講座14 「あなたは、人口減少社会をどう生きますか?~『地域消滅』と『地域創成』~」

第1回 「日本の人口転換と『地域消滅』 の危機」

2015/10/30

10月23日(金)講座14「あなたは、人口減少社会をどう生きますか?~『地域消滅』と『地域創成』~」の第1回「日本の人口転換と『地域消滅』の危機」を花川北コミュニティセンターで行いました。講師は、札幌市立大学教授で日本人口学会会長の原俊彦さんで、受講者は32名でした。

 この日の講義は、第1節の「日本の人口転換」から第5節「札幌圏の少子化とその対応」までの内容で話されました。
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1.日本の人口転換
 第1節では、少子高齢化、人口減少社会、地域消滅、地方創成と、今、話題となっている人口問題です。
 この問題は、北海道新聞でも「超高齢社会」として、特集が組まれたことの紹介がありました。
 この傾向は日本だけのものだけではなく、先進国、世界全体の問題であるとのことであり、
・今起きているこのことは「日本の人口転換」という、大きな流れの一部であり、
・遅かれ早かれ他の国々も同じ問題に直面する。
 また、この問題は日本が最先端で、人類史上、全く未知の世界に入りつつある、ということを理解する必要があると話がありました。

 高齢化問題については、厚労省の『国立社会保障・人口問題研究所(以下、人口問題研究所という)』が調査研究を行っており、そのデータによると日本の総人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)は、2015年3月1日現在で24.6%であったが、2060年には4割となるとのことです。
・特に増えるのが100歳以上の男女。
・北海道の高齢化率は全国第4位と超高齢化の最先端となる。
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 原さんによると、このような超高齢社会は、「多産多死」から「少産少死」へという「人口転換」へという変化によるとのことです。
・死亡率の低下 → 長寿化
・出生率の低下 → 少子化
 長寿化・少子化により人口増がストップするが、この傾向は日本だけでなく、世界共通の出来事であるとのことです。中国も人口減少に入り、増えているのはアフリカ位とのことです。

 また、日本の平均寿命は、1950年の男子57.68歳、女子60.99歳から一貫して延伸を続けており、先の人口問題研究所の2012年の推計によると、
2010年 男子79.54歳、女子86.28歳 から
2060年 男子84.19歳、女子90.93歳 まで
延伸するとのことです。
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 一方、女性がある時点で何人の子供を産んでいるかという出生力は、低下しているとのことです。

原さんは、このようなことは何が問題かと、以下のように示しています。
≫ 人口が増加から減少へ⇒人口規模の縮小
≫ 年齢構造⇒従属人口指数(世代間関係)の変化
≫ 出生力が置換水準以下⇒急激な人口減少
≫ 地域社会では、これに人口移動(再生産年齢人口の流出)の効果が加わるので、大部分の地域では30年(1世代)ほど早く危機が進行するとのことです。

2.年齢構造の変化
 日本の総人口は、2008年(平成20年)をピークに減少に転じ、すでに毎年30万人位減っているとのことです。減って何が問題か。年齢構造が変わり、世代間のバランスが変わってしまうとのことです。
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図に見るように世代間の扶養関係では、
・就業可能年齢にある世代が、
 未就業の次世代を産み育てる
 同時に、すでに先行世代を養育する
 どんな社会でも、この仕組みは変わらない。
しかし、少子化により次に生まれてくる人口が減ってくると、このバランスが変わってしまうとのことです。
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 図の右上は、1930年のデータでミラミッド型になっており、多産多死型である。65歳以上の割合も4.8%である。左側は、1950年のデータで、人口ピラミッドの下の方が少子化により崩れている。
 出生力の低下が反映し、
・年少人口の割合は1950年の35.4%からほぼ一貫して低下
・一方、老年人口割合は平均寿命の延長に伴い4.5%から徐々に上昇
 これに対して生産年齢人口割合は
・1970年69.0%から、1995年の69.5%まで長期にわたり安定していた。


3.少子化の背景と出生力回復の条件
 死亡率が低下したことにより長生きするようになったのはわかるが、出生力が低下してきたのは何故か。

★ 多子家族から少子家族へのへの変化
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 上記の表は、人口問題研究所のものであるが、左端の1890年以前(明治初期)には出生児4人以上(グラフ上部)の割合が6割位と多かったが、右端の1970年(昭和45年)にはほとんどいなく、2子が主流となっている。1960年位(上向き矢印)からは無子(グラフ一番下)の割合が増えてきて子供の数が減ってきた。

★ 少子化の影響
・総数抑制:多子から少子へ(母子ともに健康で豊に)、
           子供一人あたりの資源量を大きくする(例:教育費の突出)。
・晩婚・晩産化:高学歴/良い職場/良いパートナー
                   →母子ともに、更に豊かな生活 →結果的に、生涯未婚、
                    無子・1子というオプションも含まれるようになる。

★置換水準を回復するための条件
 原さんは続いて、ではどうすると良いのかの条件を話されました。
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条件A 「本人+子ども」の選択リスクを低下させる
◇ 比較的早い結婚・出生のタイミングであっても豊になれる可能性を社会的に保障する。
◇ 「就業+子育て」あるいは「子育てのみ」≒「就業のみ」となるようにリスクをバランスさせる。
◇ 具体的には:養育費・保育支援、非就業(期間)の所得保障、就業継続 (復帰)などのキャリア保障など。
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条件B 置換水準の回復
◇ 今の社会保障システムである高齢者扶養から若年扶養(家族形成に対する支援)に大きくシフトとさせる。

条件C 「結婚しない・産まない自由」とともに、「結婚する・産む自由」(リプロダクティブ・ライツ)を社会が保障する。

4.『地球消滅』の危機
 2014年(平成26年)5月に、日本創成会議が「ストップ少子化・地方元気戦略」を発表した。ここでは、人口移動が収束しない場合の全国市区町村別人口から『消滅可能性都市』を発表している。
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 地域社会で何が起きているのか。進学・就職により地域から大都市地域へ人口移動により危機の進行。25~39歳の女子人口が半減すれば、出生数も半減する。高齢化の一層の進行など、過疎化による地域社会は消滅に向かう。
 出生率と死亡率の水準が変化しないと仮定すれば、再生産年齢の純移動率をプラスに転じる以外に消滅を避ける方法は無いとのことです。

5.札幌圏の少子化とその対応
 第5節で原さんは、私達の住んでいる地域である札幌圏の少子化とその対応について話されました。
 北海道は全国的にも少子化が最も進んだ地域とのことです。その中心をなすのが、札幌市、千歳市、恵庭市、江別市、北広島市、石狩市、新篠津村、当別町の6市1町1村であり、その置換水準の出生力回復、少子化への対策について話しが進められました。
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 札幌市の合計特殊出生率は、
 2012年で   1.08 人でした。
 再生産に必要な値は、  2.08 人です。
 再生産率 1.08人÷2.08人=51.9%

 再生産率が51.9%ということは、人口が一世代ごとにほぼ半分になる値であり、さらに女子人口が半減すると、出生数は4分の1となります。
 ちなみに、石狩市は、図の右から3番目で、1.21でした。

 最後に原さんは、少子化への対応について話されました。
★少子化への対応(その1)出生力を上げる!
 「本人+子ども」の選択リストを低下=就業支援・子育支援
① 比較的早い結婚・出生タイミングであっても豊になれる可能性を社
会的・地域的に保障する。
② 「就業+子育て」あるいは「子育てのみ」≒「就業のみ」となるようにリスクをバランスさせる。
③ 養育費・保育支援、非就業(期間)の所得保障、就業継続 (復帰)などのキャリア保障など

★少子化への対応(その2)女子人口を増やす!
 若年層の移動:転出超過から転入超過へ(新産業の創出・誘致)
① 若い人(特に男性)の仕事、活躍の場を作る!
② 大都市地域より高い所得・居住環境の実現
③ 将来への希望
 世代交代を可能とするライフスタイルの創出(住民募集)
① 家族形成期:新規転入者・Uターン(戻って来い!)
② ポスト家族形成期:子どもの転出後(ほっとひと息!)
③ 現役引退後:Uターン(第二の人生をふるさとで!)
④ 高齢・終末期:自立性の喪失過程(最後はふるさとで!)
 *大事な点は、人口が入れ替わりながら、再生産する仕組みを作ること。
  そのための魅力づくりがポイントとのことです。

★少子化への対応(その3)その他
 婚活の支援
  行政が個人の結婚・出産などに介入すべきではない?
   ⇒ 本人が希望するなら何でもやってあげるべき!
  理由: 状況の変化。相手を見つけるのは容易ではない。
 結婚奨励金・出産奨励金
  一時金のバラマキ⇒ 効果の持続性に問題あり、もらえなかった人から
            不満が出る。止めたた段階で反動が来る。
          ⇒ 住宅・定住支援なども持続可能な形を工夫すること。
 大学など教育機関の活用
  大学生=将来の家族形成期⇒ 地域との連携 COCなど
             
  
 第一講目のお話しはこれで終了しましたが、少子化への対応策などは、石狩市でも検討されていることであり、たいへん参考になりました。4月29日の第2回「北海道の人口減少と『地域創成』の可能性」講話では、石狩市についても話されるとのことで、関係者の出席を期待するところです。




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