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主催講座6 「文明開化(西欧化)の名のもとで日本人は何を失ったか」

第2回 「明治初期の風習・文化の統制について」

2015/07/30

 7月28日(火)、主催講座6「文明開化(西欧化)の名のもとで日本人は何を失ったか」の第2回「明治初期の風習・文化の統制について」を花川北コミュニティセンターで行いました。講師は、北海道教育大学札幌校教授で文化人類学がご専門の百瀬 響さん、受講者は49名でした。

 百瀬さんは「みなさんおはようございます。日本でどうして風習・文化の統制が行われたのか、前回お話したことを復習しますと、大前提に不平等条約改正の目的があり、条約改正には野蛮でない西洋流の文化国家になることが先決だと云う考えが根底にありました。それでは、日本は本当に野蛮であったのでしょうか、そんなことはありません。外国人に批判を受けた混浴にしてもきちんとしたルールがあり、決してみだらなものではなかったのです。ただ、日本人は日本的なルールやエチケットがあることを外国人に説明しようとはしませんでした。説明しないで、西洋人が納得する規則を作る事で文化国家である事を示そうとしました」と言って本日のお話を始められました。
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 「その目的で作られたのが、違式詿違条令です。今日は、違式詿違条令とはどんなものだったのか、詳しく見ていきましょう」

◇違式詿違条令について
・東京府下違式詿違条令(明治5年)
・各地方違式詿違条令(明治6年)
・構成
総則、違式罪(知っていて犯した犯罪)、詿違罪(知らないで犯した犯罪)
・基本的に微罪
罰金刑、鞭打ち刑、拘留刑
・司法を通さない警察による罰則裁判
・施行時期
三府五港を優先的に施行予定。
他地区については、漸次施行、内容の斟酌(適宜増減可能)を認めた。
・禁止内容
外国人の批判―野外での大小便、裸体、人糞肥料、混浴
日本人の自己規制―男装、女装、入墨など
風俗(醜態を見せるもの)、交通、近代的建造物の保護など、さまざまな生活に即した事柄を対象とした。字の読めない婦女子にも分かりやすいように、図解した物も配布された。
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◇条例の具体例(条例を庶民に分かりやすく説明するために発行された解説本より、絵からは新しい風俗も伺える)
こんなことまで、と思うような細かな事柄も対象としている。
第1条
違式の罪―75銭以上150銭以下の罰金。
第2条
詿違の罪―6銭2厘5毛以上12銭5厘以下の罰金。
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第3条(罰金を払えない者)
違式の罪―11以上20以下の鞭うちの刑。詿違の罪―1日以上2日以下の拘留。
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第7条
ニセモノの飲食物や腐った食物を知っていながら販売すること。
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第9条
春画などの販売。
第11条
入墨をすること。
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第13条
乗馬や馬車で走り廻り通行人を殺傷すること。
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第14条
外国人を無届で泊めること。
第15条
外国人を勝手に雑居させること。
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第16条
町火消や鳶人足を集めて工事を行う際に違う組の者を雇うことに異議を唱えること。
第54条
巨大な凧を揚げること(凧は電線に引っ掛かる恐れがあった)
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第17条
夜中に無灯火の馬車を走らせること。
21条
街灯を壊すこと。
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第18条
人家密集地で花火などを行うこと。
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第19条
火事場に馬で乗り入れること(明治4年から一般人も馬に乗ることが出来るようになった≪新しい風俗≫)
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第24条
無許可の舟や車で営業すること。
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第25条
蛇女のような醜悪な見世物を出すこと。
第26条
見苦しい姿(足を剥き出し)で乗馬すること。
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第31条
午後6時以降に荷車を曳くこと。27,6,2,20.JPG

第32条
まわりにお構いなく馬車を急がせること。
33条
人力車へ乗る事を強引に強要すること(男が来ているのは赤ゲット)
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第34条
他家内の果実などを採って食べること。
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第36条
動物の死骸等を道路に投棄すること。
第37条
風呂屋の戸口を開け放したり、二階に隠し簾等を垂らすこと。
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第39条
女性が断髪すること。
第41条
肥桶に蓋をしないこと。
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第53条
犬を闘わせたり、人に向かって犬を吠えさせること。
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 この後、『絵本江戸風俗往来』の中から抜粋した、凧売りの繁盛や、伊勢参宮する犬、夜半の犬の吠え付き、子犬の小屋をつくる子どもなど違式詿違条例で禁止された江戸風俗の紹介がありました。
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◇村落での風俗統制
 村落では又違う形の統制があった。例えば、他の水田の水を勝手に引くことや雨乞いなどで、肩肌脱ぎでの農作業なども禁止された。しかし、これらの統制に対しては抵抗が多く、徴兵制に反対して起きた血税一揆の流れの中で、肩肌脱ぎでの農作業など些細な事の禁止令に反対する動きがあった。
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◇各地の条令施行年月と条令数
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 長崎、京都、大阪で施行年月が遅いのは、統制に抵抗する勢力があったから。また、地方ほど条令数が多いのは、日常生活の中で規制すべきことが多かったから。

◇各事項への統制の徹底度合い
 混浴、入墨などは、比較的早く統制されたが、裸や立ち小便は統制がなかなか徹底出来なかった。長崎では、このふたつについては、お城の周り以外は禁止条例もなかった。

 以上が、本日のお話の概要ですが、条例を一つ一つ具体的に説明して頂いたので、違式詿違条例がどんな風俗を統制しようとしたのか、又それによりどんな風俗が消えていったのかが良く分かりました。
次回は、北海道で起こった事のお話です。どんなお話になるのか非常に楽しみです。





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