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講座8≪プロフェッサーコース≫『身近な環境を考える』

第5回「北海道における自然エネルギーの活用」

2011/03/21

  3月19日(土)講座8『身近な環境を考える』の第5回「北海道における自然エネルギーの活用」を市民図書館視聴覚室で行いました。講師は、経済産業省北海道経済産業局資源エネルギー環境部エネルギー対策課長小貫秀治さんで、受講者は30名でした。

 小貫さんは冒頭、石狩市は庁舎の太陽光発電や風力発電などに積極的に取り組んでおられるが、今や自然エネルギーが電気・燃料に転換されて使われており、一次エネルギーに占める割合が国際的にも増えてきていると話されました。
ishikari.jpg<<脆弱な日本のエネルギー供給体制>>
 続いて、我が国の一次エネルギーの現状について話されました。我が国は、一次エネルギーの自給率が、他国に比べて極めて少なく僅か4%であるとのこと。英国や中国では94,5%に達している。また一次エネルギーの供給量では、8割以上を化石燃料に頼っており、73年、78年にはオイルショックにみまわれ、脆弱なエネルギー供給体制を露呈し、我が国のエネルギーの安定供給の確保が課題となっているとのことです。さらに、05年2月には京都議定書の発効があり、温室効果ガスの削減に厳しい責務がるとのこと。これらから、我が国のエネルギー政策としては、「地球環境保全」、「エネルギー安定供給」、「経済成長」が基本であるとのことでした。

<<非化石エネルギー>>
 そこで小貫さんは、本日の講座の主題である非化石エネルギーの利活用について話を進められました。非化石エネルギー源とは、『エネルギー供給構造高度化法』で"電気、熱又は燃料製品のエネルギー源として利用することができるもののうち、化石燃料以外のもの"とされ、再生可能エネルギー源と新エネルギー源とがあるとのことです。
 再生可能エネルギー源とは、同法によると"太陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用する事ができると認められるもの"とされ、大規模水力、地熱、空気熱、地中熱などがあたるとのこと。国は新エネルギー源として、太陽光、風力、中小水力、地熱、太陽熱、水を熱源とする熱、雪氷熱、バイオマスなどを位置づけています。

<<再生可能エネルギーの導入拡大に向けて>>
 この後、小貫さんは、再生可能エネルギーの導入拡大について話されました。まず、電源毎のCO2排出量と発電単価では、LNG火力は石炭・石油火力よりCO2排出量が少ないがコストがかかり、太陽光の単価はまだまだ高いとのことです。しかし、再生可能なエネルギーは、輸入に依存しない、CO2排出量が少ない、新たな市場、雇用の創出、地域経済への貢献、地産地消などの導入意義があり、政府としても一次エネルギーに占める割合を、2005年の5.9%から2020年には10%にしたいと、導入に対する補助金、太陽光発電の余剰電力買収制度などの推進策をっているとのことでした。

<<北海道における新エネルギーの導入事例>>
 ここからは、具体的な導入事例について紹介がありました。北海道は、風力、雪氷、太陽光といった自然の恵みはもちろん、農林業で生まれるバイオマス資源など、地域の特色を活かした新エネルギーが豊富にあり、地域活性化の原動力として、大きな可能性を秘めているとのことです。次に、それぞれの導入事例について紹介がありました。
○太陽光発電
kouza (2).jpg 稚内市には、北電などにより大規模電力供給用の太陽光発電の安定化実証研究として、「稚内メガソーラープロジェクト」で発電した電力を一時的に蓄電池に貯蔵し必要な時に放出するシステムが取り組まれている。出力は5000kW(一般家庭約1700世帯の電力に相当)の規模である。H22年度で終了するが、この施設は稚内市に寄贈されるとのことである。大規模な太陽光パネルは、積雪対策として設置の際の傾斜や高さが必要であるが、日照時間は全国に比べ遜色なく、太陽電池は気温が低い方が発電効果が良い利点もある。北海道では、一般家庭での導入が進んでいる。
ebetu.jpg パネルの設置角度による影響調査は、江別市いずみ野小学校や江別市役所で実証モデル事業が行われた。
○風力発電
 宗谷岬ウィンドファーム(1000kW×57基)をはじめ、日本海側の風況から、風力発電に適した立地条件である。道内の風力発電は、合計出力で全国の12%と青森に次いで2位、設置基数は265基とトップである。
 suutu.jpg寿都町では、これまで厄介者扱いのだし風を活用し『だし風と共に歩む未来へ』として建設に取り組み、自治体運営の風力発電としては国内最大級を誇る。苫前町では、町営牧場に1000kWの風車を20基設置した『苫前グリーンヒルウィンドパーク』を運用している。せたな町では、日本初の洋上風車『風海鳥(かざみどり)』を設置している。
○バイオマス
 畜産糞尿を利用したバイオマス発電は、約40カ所で全国の半数以上に及ぶ。さらに、工場端材を燃料とするコージェネレーション設備の導入、間伐材や剪定木等によるペレット製造、甜菜、小麦、米、稲わら等からのバイオエタノールや菜種油、廃食油によるバイオディーゼル燃料などが製造実証から実用化の段階に入っている。
 鹿追町では、環境保全センターに牛糞を集約して処理する集中型バイオガスプラントを設置している。この施設は、家畜ふん尿処理量で日本最大のものである。津別単板協同組合では、単板・合板製造の際の産業廃棄物を木質燃料とするバイオマスコージェネレーション設備を導入し、工場の熱・電気のほぼ全量を供給している。これまで、木くずはお金を払って処理をしていたが、今は利益を上げるものになっている。
○雪氷冷熱
 北日本や日本海側を中心に全国で140施設(うち道内65施設)が、公共施設の冷房や農産物貯蔵などに利用している。最近では、生産工程や事業所の冷房などに活用するケースが増加している。省エネ、CO2排出抑制のほか、除湿・除塵、作物等の鮮度保持・糖度増加などの効果もあり、活用分野が期待されている。
 沼田町は、世界初の雪冷房システムによる米穀貯蔵システムを始め、多数の雪氷熱利用設備を導入した(貯雪量1,500t)。個人住宅や店舗も雪山センターから雪の供給を受け雪冷房を行っている(貯雪量10,000t)。札幌市モエレ沼公園では、敷地内の雪を貯雪庫に蓄えガラスのピラミッド全館の夏季の冷房を行っている。雪冷房のバックアップには、天然ガスによる冷温水発生器を使っている(貯雪量1,580t)。
○地中熱
 地中の安定した熱をヒートポンプやヒートポンプシステム等により、住宅や業務用建築物の冷暖房、給湯、融雪等に利用されている。道内の住宅用地中熱ヒートポンプの導入は215件、業務用の導入では、病院・工場・ビル等の地中熱利用型で38件、温泉・ホテルの排湯熱利用型で10件となっている(2010年12月現在)。
 赤平市の企業では、胡蝶蘭の通年栽培における暖房設備を灯油式から地中熱ヒートポンプに改修して利用している。(株)阿寒グランドホテルでは、これまで重油ボイラーを加温・暖房・給湯に利用していたが、温泉熱を利用した温熱供給システムと排熱回収ヒートポンプ冷暖房システムの導入により、重油の使用量を大幅に削減した。
○水力発電
 技術的に成熟しているが、出力の小規模化、開発地点の奥地化により経済性の確保が困難である。くわえて北海道の年間降雨量が少なく、冬期間は凍結の恐れがある。
○地熱発電
 気象に左右されない安定した発電が可能であるが、自然公園法等で立地に制約がある。道内で稼働している地熱発電所は、森発電所(出力5万kW)のみである。

kouza.jpg このように化石燃料に頼らない自然エネルギーの活用には、大きな可能性があることが話されました。実際、稚内市では、大規模太陽光発電施設を中核とし、市内にある風力、バイオマス、雪氷冷熱貯蔵などの新エネルギー施設と電気自動車を連携させ、日本を代表する「次世代エネルギーパーク」としての取り組みを進めており、化石燃料に頼らない社会の構築を目指しているとのことです。政府としても平成22年春から自然エネルギーを安定的にする取り組みや平成24年4月からは再生可能エネルギー電気の固定価格買取制度の検討に着手しているとのことで、自然エネルギーの活用の現状や今後の展望について良く理解できた講座でした。
 受講生からも
「北海道での導入例を中心として、そのメリット、問題点、改善点等の話があって、非常に良い講義であった」
「種々のエネルギーの利用があることに感心しました」
「新エネルギーに対して研究されている内容、興味深く聞きました。ありがとうございました」
「無尽蔵にある自然エネルギーを安い設備、ランニングコストで普及される様期待します」
「重要で急を要するテーマであり、安全なエネルギー開発が早く定着するような社会にすることを望みます。水力、火力以外はまだ試行的なエネルギーであり、自然を活かした新エネルギーを行政がしんけんに取り組む重要性が感じられました」

等の感想が寄せられました。




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