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講座5 《プロフェッサーコース》北海道の稲作史『稲作日本一への軌跡』

第3回 「北海道農業研究センター見学」

2010/09/10

 9月9日(木)講座5 《プロフェッサーコース》 北海道の稲作史『稲作日本一への軌跡』の第3回「北海道農業研究センター見学」が行われました。

 公民館に集まり、第1回講師の藤村稔彦さんの案内で研究センターまで1時間のバス移動。

534.JPG 到着した「北海道農業研究センター」は、先ずその広さにびっくり。早速、会議室で、研究センターの概要説明を受けました。北海道農業研究センターは全国組織の独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構の北海道部門です。

 現在は、13の研究チームと4つのサブチーム、特命チームで、1)水田作、畑作、園芸作および酪農の発展と農業競争力強化のための技術開発
2)農産物のブランド化をめざした品種育成と製品開発 3)北海道農業の未来を支える基盤的研究 に取り組んでいるとのこと。お話を聞いてその取り組みの幅広さに驚かされました。

531.JPG 次に、北海道の稲育種について、おぼろづきなどの開発に携わった低コスト稲育種研究北海道サブチームの清水博之さんからお話を聞きました。

 北海道道央部の稲作は、明治6年中山久蔵が島松で「赤毛」を栽培したのが始まりで、その後「やっかいどう米」と呼ばれた時代を経て、1970年代末頃から食味の良い品種の開発が始められ、昭和63年に「きらら397」が誕生した。

 また、全国のブランド米は、あきたこまち、ひとめぼれ、ヒノヒカリなど主要品種がどれも、コシヒカリの遺伝子を60~80%受け継いでいるのだそうです。

 ところが、北海道では、気候の関係で、コシヒカリを直接利用した北海道適応種の育種が難しく、コシヒカリを利用しながらも何段階もの過程を経て始めて北海道に適応する品種ができるのだそうです(きらら、ほしのゆめ)北海道での稲育種の難しさです。

 もうひとつのマイナス要因は、米の味を決めるのは、タンパク質とでんぷん(アミロース、少ないほど粘りが強く、柔らかいご飯になる)の含量ですが、気温が低いとアミロース含量が高くなるのだそうです。

 こういう悪条件の中で低アミロース米として出来たのがおぼろづき。しかしこれも、アミロース含量は低いがタンパク質含量が高いので、さらにアミロースもタンパク質も低い品種として作られたのが「北海302号」、しかし今度は病気に弱く、全てに良いものを作るのはなかなか難しいようです。


 また、良食味米の育種と共に、極多収米の開発も行っているとのこと。これは、飼料や米粉、バイオエタノール原料としての用途だそうです。
そのうえ多収米でも、多肥多収の品種や少肥多収の品種など幅広く開発されているようです。

 北海道での稲の育種の難しさとそれでも進んでいる新品種の開発のあらましが良く分かるお話でした。

 お話を聞いたあとは、外に出て、実際に色々な品種が植えられている圃場での説明を受けました。

538.JPGのサムネール画像 印象的だったのは、もう黄金色に色づいている「きらら397」の隣のヒノヒカリ(九州)やコシヒカリがまだ青々として、これではとても収穫ができるような状態ではなかったことです。北海道に合わない品種が良く分かり、それだけに育種の苦労も偲ばれる光景でした。

5315.JPG 資料に基づいたお話と圃場見学で、北海道での稲の育種の難しさ、しかしそれでも頑張って素晴らしい良質米を作りだしている試験場の方々の苦労が良くわかりました。

 受講された皆さんからも

・本日の研究センターの近くに住んでおりましたが初めて入所しました。施設の大きさに驚きました。又、講義内容、施設の観覧には十分に満足しました。

・いつも何気なく食べているお米ですが、長い間かかって私達の口に入ることがわかりました。

・近年、道産米も、本州の米に負けない食味になって、毎日、おいしくいただいているが、子供の頃は不味い米の代名詞のように言われていたのを記憶しています。関係者の努力が結ばれたものと思いますが、その一端を知ることができたと思います。

・やっかいどう米からうまい米づくりにがんばられた試験場の先生方、拍手を贈りたい。圃場見学が出来たことに感激しました。

・稲作現地見学、大変勉強になりました。私達が食べている米はエリートの中のエリート、何回もの改良の結果生まれたものだと分かりました。これから先も改良に取り組みよりおいしい米づくりに精を出されている姿勢に感激です。

・道産米については常々考えるところがあり受講する気持ちになりました。始めから驚きの連続で良くこれまでになったと感じ入っています。今日の北海道農業研修センター視察はお米大好き人間にとってタメ息をついたりよろこんだり。とにかくガンバッテほしい。コシヒカリが北海道で育ち収獲出来る日を待っています。

・1列ずつに植えて交配しないということを知りました。302号が市場に出てくるのが楽しみです。

・私達が毎日食べているお米がこんなにも沢山の人達によって何度も、何度も繰り返し改良されて新しい、おいしいお米が出来るまでを今回の講座で改めて詳しく知ることが出来ましたこと本当にうれしく思いました。

・毎日食しているお米だけに今回の講座はとても勉強になりました。品種の改良も、味、収量、冷害ばかりでなく、新規需要米にまで力を入れていることにも驚きました。

・北海道に適する米の品種改良のプロセスと継続した努力を知り勉強になりました。現地で実際に育っている状況を見れたのは良かったです。

・北海道の稲作発展の歴史は長く厳しかったことは石狩学の他の講座に於いても学ぶ事が出来た。新品種が今後も生まれる要素は十分あるが、コシヒカリのように北海道ブランドとして長く定着できる品種が生まれる事を期待したいと思います。
 
 などなどの声が寄せられ、日頃口にしているお米に対してまた思いを新たにされた方が多かったようです。




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